2013 Fiscal Year Annual Research Report
高分子鎖の絡み合いを基点とした高次構造形成と機能発現
Project/Area Number |
23350109
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
上原 宏樹 群馬大学, 理工学研究院, 准教授 (70292620)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 分子鎖絡み合い / 結晶化 / ポリエチレン / 超高分子量 / ナノポーラス膜 / 薄膜 / 溶融延伸 / 医用材料 |
Research Abstract |
超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)は、溶融粘度が高いために溶融状態からの延伸が可能である。以前の我々の研究より、溶融一軸延伸過程では分子鎖の配向とともに分子鎖絡み合いの解きほぐしが進行し、結果として高い力学物性を与える伸びきり鎖結晶に配向結晶化することが明らかとなっている。一方、溶液結晶化フィルムを溶融熱処理後に一軸延伸/緩和処理することによって規則的ひし形構造が得られており、これは分子鎖絡み合いの位置分布制御によるナノ規則構造形成が可能であることを意味している。そこで本研究では、これら一軸延伸を膜面全体にわたって等方的に分子配向を導入できる二軸延伸へと拡張するとともに、溶融状態で緩和処理を行うことによってポリエチレン膜の高性能化を試みた。 まず、二軸延伸が物性へ及ぼす影響を検討するために150℃で2×2~8×8まで二軸延伸した膜を作製し、引張り強度と引裂き強度の測定を行ったところ、延伸倍率の上昇と共に伸びきり鎖結晶の増大に起因して引張り強度は増加するものの、引裂き強度は逆に減少することがわかった。そこで、これら物性のバランスに優れた膜を得るため、融点以上で「緩和処理」を行うことで伸びきり鎖結晶の量を調節した。その結果、緩和処理後では引張り強度、引裂き強度共に約2倍まで上昇させられることがわかった。また、緩和処理により同じ程度の厚さ/幅をもつラメラで構成された均一構造に転移していることがわかった。この均一ラメラ構造を利用し、固相状態で延伸を行い結晶/非晶間の物理的剥離を試みたところ、表面では数十ナノメートルサイズの細孔構造を有するナノポーラス薄膜を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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