2011 Fiscal Year Annual Research Report
アトリットル空間における局所増幅電場の発現と超高感度スクリーニングチップへの応用
Project/Area Number |
23350118
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
福田 隆史 独立行政法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 研究員 (50357894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛島 洋史 独立行政法人産業技術総合研究所, フレキシブルエレクトロニクス研究センター, 研究チーム長 (80356568)
安部 浩司 独立行政法人産業技術総合研究所, フレキシブルエレクトロニクス研究センター, 主任研究員 (80356378)
石田 尚之 独立行政法人産業技術総合研究所, フレキシブルエレクトロニクス研究センター, 研究員 (80344133)
福田 伸子 独立行政法人産業技術総合研究所, フレキシブルエレクトロニクス研究センター, 研究員 (90360635)
内田 江美 独立行政法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 産総研特別研究員 (20600539)
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Keywords | バイオセンサー / 局在プラズモン / 電場増幅効果 / スクリーニングチップ |
Research Abstract |
H23年度は当初計画通り5つの領域横断的な要素技術/課題に取り組み、以下の成果を得た。 [1]「アトリットル空間の創成」:散逸構造形成過程による方法、微粒子を鋳型とする方法、微粒子の最密充填単層構造を利用する方法の3通りでアトリットル構造形成を試みた。得られた構造の透過スペクトルを比較した結果、微粒子の最密充填単層構造を用いる方法が最も高い屈折率感度を示すことを見いだした。 [2]「アトリットル空間の位置制御」:マイクロコンタクトプリント技術により金表面上にアルカンチオールのパターニングを行い、構造形成位置のマクロスコピックな制御ができることを確認した。 [3]「電場閉じ込め効果の検証」:FDTDシミュレーションによってサブ波長構造のサイズや金蒸着膜の厚さについて見通しを立てた上で、実験によって実際の最適条件の絞り込みを行った結果、H23年度目標の2倍以上であるRIU~360を得た。 [4]「種々のプローブによるアトリットル空間内壁の修飾」:[1]の結果から、金表面の化学修飾に重点を置くべきであることが判明したため、チオールによるアンカリングとリンス方法の検討に注力し、C反応性タンパク(炎症マーカー)やレプチン(糖尿病マーカー)について、各々1ng/mL、100pg/mLの超高感度を確認した。 [5]「種々のマーカーに対する検出感度の評価」:チップの透過スペクトル評価のための治具作製と分光光度計の試料室改造を行うとともに、ファイバー型分光光度計を用いた反射スペクトル評価系を構築した。また、従来法と新規光学系による測定結果の比較を行い、データの定量性を確認した。 また、今年度の成果をもとに第11回国際バイオテクノロジー展(BioTech2012@東京ビックサイト)への出展を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アトリットル構造が特定され、基本光学特性の実証に成功したことから、高感度と高生産性を兼備するチップ作製に向けての基礎固めが当初計画通り完了した。今後、種々のプローブで修飾したチップ作製と超高感度センシングの実証を行うことによって提案目的が達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の進捗が順調であったことから、H24年度もおおむね当初予定通りに進める予定である。また、構造形成についてより実用的なプロセスを模索するため、ディップコーティング、ナノインプリント、ホットプレス、マイクロ塗工技術などの検討についても予算の範囲内で追加してゆく。企業との連携もより強化してゆく。
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