2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスピン超構造を用いた位相同期型高出力発振・高感度検波素子の創製
Project/Area Number |
23360004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水口 将輝 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (50397759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 剛斎 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (40579611)
三俣 千春 東北大学, 工学部, 客員教授 (70600542)
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Keywords | 磁性 / スピントロニクス / 高周波 / 発振 / 検波 |
Research Abstract |
本研究の目的は、自己組織化法あるいはナノインプリント法を用いて一度に多数の強磁性ナノドット集合体(アレイ)をトンネル磁気抵抗素子上に作製し、発振強度および周波数選択性が十分高く、実用的かつ効率的なスピン発振素子およびスピン検波素子を創製することである。スピン発振素子の発振強度は、磁化の歳差位相が同期した素子数の二乗に比例するため、位相同期した発振素子数を増やす事が肝要である。同時に、検波素子としての性能を決める周波数に対する感度を高めるためには、素子の形状ばらつきを可能な限り小さくする必要がある。そこで、本年度は、自己組織化法により強磁性ナノドットを作製し、そのサイズ制御と整列条件を探ることに注力した。MgO単結晶基板上にFeのドット集合体を分子線エピタキシ法により自己組織的に成長した。MgO緩衝層の成膜条件を様々に変えることで、MgOとFeドット間の格子歪みを精密に制御することが可能であり、ドットサイズの分散を小さくすることができることが分かった。また、Fe成膜後のアニール温度などの作製条件を最適化することにより、Feドットを一方向に整列させることが可能であることが分かった。これらの知見は、来年度以降の高出力発振素子の作製に資するものである。また、スピントルク発振のモデルを構築し、磁化のダンピングや注入電流量と発振周波数との関係を理論的に導き出した。現在、これらの結果を論文にまとめているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノスピン超構造を自己組織化法により作製するための基本的な条件探索が進んでおり、その進捗度もおおむね順調であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に探索した自己組織化法によるナノドット作製条件を利用して、今後は実際にトンネル磁気抵抗素子を作製し、スピン自励発振条件を明らかにしていく予定である。また、位相同期した場合のスピントルク発振の理論についても、解析を進めていきたい。
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Research Products
(1 results)