2012 Fiscal Year Annual Research Report
パイ共役分子による低次元超格子ヘテロ界面構造とその電子状態
Project/Area Number |
23360005
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
解良 聡 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 准教授 (10334202)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 有機半導体 / 電子状態 / 表面界面 / 電子分光 / 相互作用 |
Research Abstract |
本研究では極めて詳細な電子分光実験を通して、有機半導体薄膜の電子構造の観点から、その背景に広がる独特な電子物性を理解すべく研究を進めている。弱い相互作用で結ばれた分子性固体中の電荷の動きを如何にして捉えるか、電子論として如何に物理的に記述できるかが命題である。光電子分光法という古来の手法を高精度測定を通じて斬新に活用することにより、キャリア伝導機構の重要な因子である再配向エネルギーとトランスファー積分の両者に直接的に踏み込むことができる。今年度の主な成果として、 ①有機単分子膜の電子格子相互作用のフッ化効果(投稿中)、②極性有機分子の配向双極子場の電子準位接合への影響、③芳香族安定化による有機半導体膜の金属化の機構、④有機ヘテロ接合界面における結晶性と電子状態の関係、⑤有機結晶膜へのアルカリ金属ドープによるモット絶縁体転移、⑥有機単結晶の表面二次元構造とバンド分散関係、があげられる。 特に③については、国際9グループの組織により分子吸着構造、価電子帯状態密度、理論計算による共鳴状態の評価など、多角的なアプローチにより、有機半導体分子が金属化する機構について解明した(雑誌Nature Chemistryにて発表)。⑥については有機単結晶(ピセン)の表面二次元構造の観測にて初めて成功し、角度分解紫外光電子分光によりエネルギーバンド分散関係の評価を行いトランスファー積分を求めた(雑誌Physical Review Letterにて発表)。これらにより界面電荷移動および電荷輸送機構に関する知見を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有機分子の低次元超格子ヘテロ界面については、想定以上に系が複雑であり現象の理解に苦難している。しかし電荷輸送問題や電荷移動現象などの周辺実験データが多く排出され、有機半導体界面物性の全般に関わるより高次な段階の理解が進んでいる。極低温高精度角度分解測定のための改造に係る備品は揃い、実質的な稼働の調整段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
装置改造を早急に完了する。多軸モータの自動制御を行い、高精度データの取得を狙う。有機ヘテロ超格子界面の電子状態の極低温測定から、電子状態について高精度評価を行う。特に極低温成膜により分子の自己組織化運動を抑制し、任意に温度勾配を利用して超格子構造を時空間制御できる。これにより弱い分子間相互作用に関する未知の卓越した議論展開を行う。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Charged and Metallic Molecular Monolayers through Surface-Induced Aromatic Stabilisation2013
Author(s)
G. Heimel, S. Duhm, I. Salzmann, A.Gerlach, A.Strozecka, J.Niederhausen, C.Burker, T.Hosokai, I.Fernandez-Torrente, G.Schulze, S.Winkler, A.Wilke, R.Schlesinger, J.Frisch, B.Broker, A.Vollmer, B.Detlefs, J.Pflaum, S.Kera,K.J.Franke, N.Ueno, J.I.Pascual, F.Schreiber, and N.Koch
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Journal Title
Nature Chemistry
Volume: 5
Pages: 187-194
DOI
Peer Reviewed
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