2013 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ励起による焦電体からの電子放出と微小X線源への応用
Project/Area Number |
23360022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高井 幹夫 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 名誉教授 (90142306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若家 冨士男 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 准教授 (60240454)
阿保 智 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 助教 (60379310)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 微小X線源 / 焦電体 / 分極 / 焦電係数 / レーザ励起 / 電子放出 / X線分析応用 / X線2次元イメージング |
Research Abstract |
本研究課題では、焦電体結晶の自己分極をレーザ光により制御し、高電圧の発生と表面補償電荷の放出を利用した電子源の開発、及び微小X線源への応用を試みた。本年度には、(1)焦電体X線ヘッドの試作、(2)2次元透過イメージング、(3)X線の局所照射と分析技術の確立 の3点について研究を行った。 (1) 焦電体X線ヘッドの試作 焦電体結晶を用いたX線ヘッドには、電子放出の方向を対向電極に限定するため、メタルハウジングと比較しガラスハウジングが望ましい。そこで、ガラスハウジングへの焦電体結晶封入方法、X線取り出しベリリウムウインドウ設置方法、交換可能なカートリッジ機能について検討を行い、X線ヘッドの構造を決定した。 (2)2次元透過イメージング 0.89 WのNd:YLFレーザにより焦電効果を誘起し、厚さ4 mm、直径5 mmの円柱形状の焦電体結晶表面から放出した電子を真空封止に用いている銅薄膜に衝突させることでX線を大気中に取り出した。焦電体結晶にレーザ照射による90秒間の加熱とレーザ停止による90秒間の冷却のサイクルにより、大気中に取り出したX線で、膜厚の異なる金属試料の透過イメージングを行った。 (3)X線の局所照射と分析技術の確立 X線の生体内の局所部位への選択的照射や診断分析には、必要なX線量を短時間に照射する必要がある。2次元透過イメージングの場合と比較し、より高い強度のX線を得るため、Nd:YLFレーザと同程度の波長、かつ、高出力化が容易なファイバーレーザにより焦電体結晶の加熱を行い、発生X線の評価を行った。5 Wのファイバーレーザ照射では、0.89 WのNd:YLFレーザ照射と比較し、X線量は平均3.2 倍の68 MBqであった。また、ピーク強度としては9.8 倍の216 MBqであった。 以上により、レーザ励起焦電体を用いた小型X線源を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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