2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23360039
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
琵琶 哲志 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50314034)
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Keywords | 熱音響現象 / 自励振動 / 散逸構造 |
Research Abstract |
管内気柱の一カ所を局所的に加熱すると,気柱は不安定となりやがて振動を開始する.この熱音響自励振動分岐現象の分岐点に関しては理論的,実験的研究がなされてきた.本研究では,分岐点近傍のダイナミクスを記述する発展方程式を実験的に決定することを試みた.熱音響自励振動分岐では,系のエネルギー生成とエネルギー散逸がちょうど釣り合うように振幅が決定されると見ることができる.本実験では,系に外部から撹乱を加えてこのバランスを変化させることを試みた.すなわち,外部から音響パワーが供給されれば,本来の自励系ではエネルギー散逸が過剰となるような大振幅の高音響エネルギー状態が実現する一方,外部で音響パワー吸収があれば,本来の自励系ではエネルギー生成が過剰となるような小振幅の低音響エネルギー状態が実現する.典型的な熱音響振動系を中空のアクリルパイプを使って自作し,自励振動することを確認した後で,装置の一カ所に音響ドバイバーを接続した.周期的定常状態が実現した状態で,装置内の音場計測を通じて,ドライバーが供給する音響パワーWと系に蓄えられる音響エネルギーEの関係を求め,本来の自励系におけるエネルギー変化量dE/dt(=-W)とEの関係を決定し,熱音響振動系の発展方程式(dE/dtとEの関係)を得た.自励系で観測される定常状態への緩和振動や定常振幅は発展方程式により再現可能であることを確認している.また得られた発展方程式はスーパークリティカル分岐を意味していた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
分岐点を超えてさらに平衡状態から遠ざけていくと,さらに多様な散逸構造が実現することが知られている.熱音響振動系では,衝撃波形成が期待される.最近になって実験的に衝撃波励起を確認したので,そのメカニズムを探り,さらには抑制方法を明らかにする実験を計画している.また熱音響自励振動そのものを抑制するためにフィードバックを利用する.
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Research Products
(2 results)