2012 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー粒子可変ビームによるプラズマプロセス表面反応機構の解明とモデリング
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23360040
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保田 智広 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (70322683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寒川 誠二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30323108)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 中性粒子ビーム / イオンシース / エッチング形状予測 / 第一原理計算 / オンウェハモニタリング / ワイヤレス測定 / 紫外光照射損傷 / 欠陥生成 |
Research Abstract |
中性粒子ビームを用いて得られたエッチング結果をもとに、エッチング形状シミュレーションの検討を行った。中性粒子ビームエッチングにおける表面反応について、入射粒子の角度及びエネルギー分布・エッチング構造内での軌道などを計算で求めるとともにエッチングや堆積などの表面反応のレートを推定し、最終的に中性粒子ビームエッチングにおけるエッチング形状が求められるシステムとした。 プラズマ-表面反応によるイオン中性化メカニズムについて更に詳しく調べた。昨年度に開発した第一原理計算手法を更に発展させ、励起状態や空準位の影響を考慮できるようにした。 プラズマ-表面反応におけるイオンシースの影響について、昨年度に開発したシース形状センサから得られる計測値を用いて、任意の3次元形状周辺におけるイオンシース電界をシミュレーションすることでイオン軌道を求め、エッチング形状を予測する手法を開発した。別途エッチング実験を行った結果と比較し、エッチング形状を正しく予測できることを確認した。 さらに、より多様な実験データ取得のため、多様なプラズマ装置やプラズマ条件におけるオンウェハモニタリング計測を可能とするため、ワイヤレス測定システムの開発を行った。電池駆動可能な測定回路を開発するとともに、センサ測定における基準電位などの問題を解決し、ワイヤレスでの測定が可能であることを実証した。 プラズマエッチングにおける材料の機械的特性への影響について調べるために、カンチレバーの振動特性のプラズマ照射依存性を調べた。紫外光照射による欠陥生成により、フォノンが散乱されると考えれる結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プラズマ表面相互作用の理解のために不可欠なプラズマ計測手法については、ワイヤレス測定などの開発を行い、適用範囲を広げ多様なデータ取得を可能とする目処が立った。表面反応モデリングについては、理論計算による検討については、イオンとグラファイト表面の電子授受のメカニズムについて励起状態や空準位を含めた検討を深めるなど順調に進められている。さらに、最終的な目標であるエッチング形状予測についても、イオン軌道予測に基づくエッチング形状予測ができるようになりつつあり、最終目標達成に向けて順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
オンウェハモニタリングを用いたプラズマ・表面計測とエッチングシミュレーションとを結びつけ、表面反応の理解と計測に基づく予測システムを打ち立てる。
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