2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23360043
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
加藤 政博 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 教授 (30185871)
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Keywords | 加速器 / 電子ビーム / シンクロトロン光 / レーザー / 真空紫外線 / コヒーレント / 放射光 |
Research Abstract |
本研究は、分子科学研究所のシンクロトロン光源加速器UVSOR-IIを利用して、独自のアイデアに基づき、旧来の手法では不可能な、狭帯域真空紫外・軟X線コヒーレント光の発生方法の開発を行うものである。具体的には、(1)ナノ秒電子パルスとナノ秒レーザー光によるCHG発生、(2)有限角度交差法による波長可変性の実証、(3)吸収分光計測による狭帯域化の実証、を行う。波長200nm~30nmの波長域でスペクトル幅10-6を上回る波長可変狭帯域コヒーレント光の発生を目指す。 初年度においては、ナノ秒電子パルス及びナノ秒レーザーパルスの生成技術を確立し、それらを用いてCHG発生の予備実験を行うことを目標として研究を進めた。これと並行して、スペクトル測定法の検討を進めた。 既設のストリークカメラを利用し、加速器の運転条件、電子ビーム強度に対するパルス長の系統的な計測を行った。これにより蓄積リングのインピーダンスのパルス長への影響に関する基礎データが取得できた。一方、高調波空洞を用いた電子パルス長伸長の運転条件の確立も目指したが、主加速空洞のトラブルのため本格的な実験は次年度に繰り越すこととした。 ナノ秒レーザーパルスは、既設のチタンサファイアレーザー装置において励起光源として使用されているYAGレーザーを流用して生成することとし、取り出しのための光学路の設計と光学系の整備を進めた。並行して、非線形光学結晶を用いた高調波の生成に関する予備実験を行った。 CHG発生のために用いる光クライストロン型アンジュレータのパンチャー部の磁気圧縮効果はCHG発生効率に極めて重要な要因となるが、これを自発放射光スペクトルを計測することで系統的に調査し、CHG発生最適化のための基礎データを取得した。 CHG光のスペクトル計測について。既存の真空紫外分光器を用いた光学系の設計を行い、必用な光学部品の整備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究に用いる加速器の主加速空洞に不具合が生じ、一部の実験を実施することができなかった。一方、次年度からの本格実験開始に向けた装置の整備は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の計画の遅れの原因となった加速器主加速空洞の不具合は平成24年度初めの運転停止期間中に修理が行われる予定であり、今後の本研究の遂行には支障は生じないと考えている。
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Research Products
(5 results)