2011 Fiscal Year Annual Research Report
やわらかさが瞬時に変化する高機能磁性ソフトマテリアルの創製と応用
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23360051
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
三俣 哲 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (80322006)
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Keywords | 磁性ゲル / アクチュエータ |
Research Abstract |
磁性ソフトマテリアルは磁性微粒子を含むゲルやエラストマーなどのソフトマテリアルであり、その弾性率は磁場で変化させることができる。電気的な信号で物体の弾性率を変えることができるため、物体の触覚を遠隔操作できる。また、弾性率が変化すると、振動の共振点がずれて振動波は短時間で減衰する。本研究では、強い磁場を必要とせず、弾性率が瞬時に大きく変化する透明な磁性ゲルを創成し、電気的に弾性率が制御できるシステムを構築することを目的とした。 磁性微粒子の分散性に及ぼす物理因子の解明を行った。磁性微粒子の分散性はマトリクスの種類、濃度に強く依存する。これまでの研究から、磁性微粒子が不均一分散すると、弾性率の変化量が大きくなることが分かった。微粒子が作るクラスターを効率良く接触させることで、高性能な材料が得られた。具体的には、高分子ゲル中での粒子径測定により、粒子とマトリクスの組み合わせを系統的に変え分散性に及ぼす因子を特定した。顕微鏡写真、CTスキャンの画像解析から、クラスターの直径、単位面積当たりのクラスター数を測定した。高分子ゲル中でのゼータ電位測定により、粒子が分散性を求めた。 また、粘弾性電気伝導度の同時測定や磁場中におけるクラスターの直接観察を行い、クラスター接触の評価法の確立を行った。磁場による弾性率変化のメカニズムは、クラスターの接触が崩壊するためと考えられているが、直接観察が難しい。電気伝導度測定・直接観察装置で接触状態を評価できるか検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
磁性ソフトマテリアルの弾性率の評価や弾性率を変化させたときの振動の共振点がずれなどを、当該機器の購入で計画通り行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
応答時間を短くするための技術要素としてパルス的に応答するゲルを創製する。クラスターの接触状態を変化させる方法では、100ミリ秒で弾性率が倍になる。応答時間を短くできれば、高い周波数の振動にも対応できる。 また、材料の耐久性を高める技術的要素の探究を行う。
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Research Products
(15 results)