2012 Fiscal Year Annual Research Report
ラージスケール・3次元ナノ光造形モールディング技術の開発と応用
Project/Area Number |
23360066
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
丸尾 昭二 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (00314047)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロ光造形 / 精密部品加工 / セラミックス / マイクロマシン |
Research Abstract |
本研究では、サブ50nmの加工分解能で数cmサイズの3次元マイクロ・ナノ構造体を自在作製できる「新方式ラージスケール・3次元ナノ光造形モールディング技術」を開発し、さまざまなセラミックス材料からなるマイクロデバイスの創製を目指している。本年度は、「光不活性化反応を利用したナノ光造形のための光学系の造形条件最適化と安定性向上を行った。具体的には、光硬化用レーザー光と硬化阻害用レーザー光のレーザー出力や照射位置の調整を行い、従来よりもレーザー強度が微細造形に適していることを見出した。また、2次元ラインパターンや3次元ウッドパイル構造などを造形し、線幅の微細化を確認した。その結果、硬化阻害レーザーを同時照射することで線幅を約80%小さくすることができ、最小で140nmの線幅を達成した。 また、光造形モールディングの応用研究の1つとして、鉛フリーの圧電セラミックスの1種であるチタン酸バリウム微粒子(直径400nmおよび150nm)を用いた高濃度スラリーを使用したマイクロ発電素子の開発を継続して行った。具体的には、圧電素子に荷重を加えた際に生じる電圧から電力を高効率に取り出すために、負荷抵抗の最適化を行い、実際に電力の評価を行った。その結果、周期的な荷重(2.8 N, 2 Hz)をらせん軸方向に与えた場合に、89Ωの時に、最大で123pWの電力が得られた。また、軸方向だけでなく、水平方向からの荷重によっても同様に電力が得られることを確認した。この実験から、スパイラル素子が3次元的な振動エネルギーを電力に変換できることが実証できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノ光造形法の開発に関しては、硬化用レーザー光と硬化阻害用のレーザー光の光強度のバランスを最適化し、加工線幅の微細化に成功した。ただし、再現性が十分ではなく、安定して所望の3次元構造を高い加工分解能で造形するまでには至っていない。また、マイクロ光造形モールディングの応用研究に関しては、昨年度試作に成功したスパイラル型圧電素子の発電性能を評価するための電子回路を作製し、作製した素子に最適な負荷抵抗を決定した。そして、周期的な荷重による発電特性を評価し、3軸方向からの荷重によっていずれも発電できることを確認できた。今後は、さらなる発電効率の向上を目指して、圧電素子に付与する電極配置を最適化する予定である。以上から、総合的にはおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
光不活性化反応を用いたナノ光造形法を用いて、複雑な3次元マイクロ・ナノ形状の造形を試みる。そして、作製したマイクロ・ナノ構造体を樹脂鋳型に用いて、セラミックスナノ微粒子からなるスラリーを用いたモールディング技術に適用することを目指す。また、圧電セラミックスを用いたマイクロ光造形モールディングの実験においては、圧電セラミックスの焼結条件の最適化および、分極処理と電極配置の最適化によって、昨年度よりも高効率な発電性能の実現を目指す。さらに、スパイラル型発電素子の研究開発で得られた知見をもとに、マルチフィジックス解析によって、より高効率かつ高性能な3次元形状の探索を行い、最適化形状を有する3次元マイクロ発電素子の試作を試みる。
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Research Products
(10 results)