2012 Fiscal Year Annual Research Report
交流電気浸透流を用いたマイクロアクチュエーションシステムの開発
Project/Area Number |
23360073
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 和弘 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (00220632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 眞一 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (10092579)
金 俊完 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (40401517)
嚴 祥仁 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (20551576)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 先端機能デバイス / マイクロ・ナノデバイス / アクチュエータ / 電気浸透 / 機械力学・制御 / MEMS / マイクロ流動源 / 流体 |
Research Abstract |
本研究課題では,固定電極から成る単純構造で低い電圧により安定に液体の対流を発生する交流電気浸透流を応用したマイクロ流動源を提案,開発し,その応用展開を図る.平成24年度に得られた主な成果は以下のとおりである. (1)四角柱-スリット電極を用いた交流電気浸透マイクロ流動源のシミュレーションによる検討:細い管状電極と平板電極を対向配置した非対称な構造の電極対を用い,交流電気浸透流を一方向の流れに変換するマイクロ流動源の基本特性を詳細に検討するため,この構造を2.5次元に落とし細管電極内部の流速分布の観測を可能とした四角柱-スリット電極を用いたマイクロ流動源を提案し,シミュレーションにより検討した.既存の交流電気浸透の数学モデルに基づき,有限要素法ソフトウェアを用いて吐出流量が最大となる四角柱電極およびスリット電極の大きさおよびそれらの間隔の値を明らかにした.なお,本成果は,日本機械学会山梨講演会で発表した. (2)四角柱-スリット電極を用いた交流電気浸透マイクロ流動源の試作および特性実験:(1)で得られた最適構造の候補のデバイスを試作し,その特性を実験的に評価した.四角柱電極1個およびスリット電極1対を含むユニットの大きさはたとえば0.2mm×0.2mm×0.05mmである.本デバイスの試作には,電鋳加工を含むMEMSプロセスを開発して用いた.試作デバイスの流速分布をPIVソフトウェアを用いて測定して有限要素解析結果と比較し,流速分布および各寸法に対する特性の変化の傾向が一致していることを示し,数学モデルの妥当性を確認した.また,一つの試作デバイスにおいて,最大1.6mm/sと従来に比べ格段に高い流速が得られることを確認した.なお,本成果は,日本AEM学会MAGDAコンファレンスで発表し,国際会議ICMDT2013で発表予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書に記した「スリット-平板電極対を用いたマイクロ流動源の試作および特性実験」を実施した結果,想定以上に高い流速が得られたため詳細に検討を行った.そのため,「細管-平板電極対を用いたマイクロ流動源の試作および特性実験」については,現在,準備を進めている段階である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,本研究課題で提案している「偏流板を用いたマイクロ流動源」および「細管-平板電極対を用いたマイクロ流動源」のうち後者に集中し,平成24年度に試作した2.5次元デバイスを3次元デバイスに発展させ,その特性の評価およびマイクロアクチュエーションシステムへの展開を図る.
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Research Products
(3 results)