2011 Fiscal Year Annual Research Report
接触域に生じる非定常マイクロ秒ダイナミクスの可視化と摺動面の起動停止モードの制御
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23360074
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中野 健 横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (30292642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 伸吾 横浜国立大学, 工学研究院, 助教 (20408727)
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Keywords | トライボロジー / 静摩擦 / 動摩擦 / スティックスリップ / 剪断破壊 / 表面波 / 可視化 / 制御 |
Research Abstract |
固着-すべり遷移の瞬間に生じる真実接触点のダイナミクスを、マイクロ秒の時間分解能で可視化する。高速な非定常現象のin-situ観察を通して、摩擦の法則(最大静摩擦力は動摩擦力よりも大きい)のメカニズムを直接的に解明するとともに、外部波動の印加により生じるダイナミクスの変化の実験的かつ解析的な調査結果に基づき、摺動面の望ましい起動停止を実現する新たな工学的手法を構築することを目的とする。平成23年度の実験担当グループ(グループリーダー:中野健)は、現有装置の基本コンセプトを継承しながら、その性能を飛躍的に向上させた「摺動面マイクロ秒ダイナミクス可視化装置」の開発に着手した。まず、摺動面の起動停止メカニズムの解明に向けた時空間情報を獲得するために、撮影速度100万コマ/秒クラスの高速度カメラを導入した。透過光計測モードにより、アクリル製のスライダとベースブロックを対象として、スライダの一端に打撃を与えた後に拡がる音速レベルの応力波を、光弾性を利用して計測できることを確認した。さらに、来年度以降の実験に向けて、摩擦力が作用する連結振動子の挙動解析を行った。インターフェイスの性質が同一でも、バルクの物性やサイズを変化させることにより、実効的な摩擦力を制御できることを見出した。一方、平成23年度の解析担当グループ(グループリーダー:尾崎伸吾)は、上記の実験において生じる現象を再現可能な有限要素法モデルを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本巨大地震の影響により、購入を予定していた高速度カメラの納入が大幅に遅れたため、実験的検討が当初の予定よりも大幅に遅れた。ただし、その納入までの時間を使って数値シミュレーションによる検討を進め、研究自体は十分に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
摺動面マイクロ秒ダイナミクス可視化装置を開発する。透過光計測モードと反射光計測モードにより、摺動面の起動停止の瞬間に生じる摺動面内部のダイナミクスを捉え、光弾性計測モードにより、摺動面の起動停止の瞬間に生じるバルク内部のダイナミクスを捉える。これらの実験と並行して、表面の微小突起の変形と内部応力伝播を考慮した動的有限要素法解析を行う。
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Research Products
(7 results)