2012 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケールレーザーテクスチャリングによる摺動特性向上に関する研究
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23360077
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐々木 信也 東京理科大学, 工学部, 教授 (40357124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 涼 東京理科大学, 工学部, 助教 (90548158)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | トライボロジー / 表面・界面物性 / 構造・機能材料 / 省エネルギー / 設計工学 / 数値流体解析 |
Research Abstract |
本研究では,摩擦損失の低減を図るための革新的な表面テクスチャリング技術を確立することを目的として,マルチスケールテクスチャリングの概念に基づいて表面構造を設計し,これを摺動表面に創製するため,ナノコーティング技術とレーザー微細加工技術とを融合した複合テクスチャリング技術を開発する.そして,テクスチャリング表面のトライボロジー特性改善効果を実験的に検証することにより,数値流体解析(CFD)技術の高度化を図る.具体的には次のような研究を遂行した. 1. CFD解析コードの開発:テクスチャ表面における実寸法による3次元数値流体解析(CFD)コードを開発し,ディンプルテクスチャ内においてキャビテーションが起こりえないことを明らかとした.一方で,実験観察では,キャビテーションの発生が確認されている例もあるため,キャビテーションの発生原因を,外部からの気泡由来と考えることで,理論と実験との乖離を埋める試みを行った. 2.表面テクスチャ創製プロセスの開発:多元素電子ビーム蒸着装置を用いて,2 種類の金属元素による数ナノオーダーの交互積層薄膜を基板上に傾斜配向させるコーティング技術により,積層膜厚および積層数のことなるナノ積層多層薄膜を作製し,摺動特性評価を行った.膜圧を10nmとして100層積層した膜において,良好な摺動特性が得られることを明らかとした. 3.テクスチャリング表面の設計技術:数ナノオーダーの溝構造と,数十ミクロンオーダーの3次元構造との組み合わせにより,ある摺動条件(例えば,摩擦速度0.1m/sec,面圧100MPa,潤滑油粘度10cSt)で流体潤滑状態を発現するテクスチャ表面を製作し,境界潤滑状態において摺動特性評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づき研究を実施することができ,期待通りの成果を得ることができた.ただし,キャンパスの移転により,年度末の研究ができなくなり,備品の一部の購入を年度を繰り越して導入した.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に向け,マルチスケールテクスチャリングの設計指針を確立すべく,計算機シミュレーション,テクスチャ表面の作製技術および評価技術との連携を図り,境界潤滑下における表面の最適化を行う.
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Research Products
(20 results)