2012 Fiscal Year Annual Research Report
極低温マイクロ・ナノソリッド噴霧を用いた新型洗浄・はく離システムの開発
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23360080
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石本 淳 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (10282005)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 混相流 / 固体窒素 / 極低温 / 微粒化 / ナノ洗浄 / 熱伝達 / 極低温 / 噴霧 |
Research Abstract |
半導体ウエハ洗浄プロセスにおける,完全ケミカルフリー・純水フリータイプ・極低温マイクロ・ナノソリッドの超高速ジェット流を用いた,ドライ型アッシングレス洗浄システムを開発する.本研究においては,異分野サステナブル融合型のマイクロ・ナノソリッド噴霧利用型洗浄・はく離システム実用化の基盤となるシステムを構築し,最適な半導体ウエハレジストはく離・洗浄性能,ITO膜はく離性能を得るための諸流動条件・流体制御方法を究明する.さらに,高分解能レーザー粒子計測とスーパーコンピューテーションの融合研究により,最適なはく離・洗浄効率を達成しうるシステム設計を行うことを目指している. 本年度,新しく得られた知見は,大別すると以下の2 つとなる.1 つは,極低温微細固体窒素噴霧の衝突による物理力と超高熱流束急冷による材料熱収縮の相乗効果によりウエハフォトレジストを一部分(60 %程度)はく離・洗浄することに成功したことである.もう1 つは,上記ウエハー急冷条件に超音波振動子設置による氷核生成・固体窒素粒子微粒化効果を付加することにより,フォトレジストを大部分(90 %程度)はく離・洗浄することに成功したことである.ここでウエハーの加熱無しの場合,レジストはく離には至らないことから,レジストはく離に及ぼす材料熱収縮効果の影響はかなり大きいことが明らかとなった. 極低温微細固体窒素噴霧の衝突による物理力,超高熱流束急冷による熱収縮,超音波振動子設置による氷核生成促進・固体窒素粒子微粒化促進の効果を併用することにより,ウエハーフォトレジストの90 %程度をはく離・洗浄することに成功したが,それは比較的パターンが小さい領域に限定されている.これは,超音波振動子設置により固体窒素粒子の微粒化が促進され,微小パターンへの接触面積が増え,クリティカルに粒子の持つ物理力を伝播できたためだと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施により新たな知見が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロ・ナノ固体窒素粒子の粒子径計測法に関しては独自の計測法を開発することにより測定精度を改善させ,洗浄性能改善に要する粒子径分布に関する新しい知見を得ることを目指す.異分野サステナブル融合型のマイクロ・ナノソリッド噴霧利用型洗浄・はく離システム実用化の基盤となるシステムを構築し,最適な半導体ウエハレジストはく離・洗浄性能,ITO膜はく離性能を得るための諸流動条件・流体制御方法を究明する.
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Research Products
(9 results)