2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23360087
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
関 眞佐子 関西大学, システム理工学部, 教授 (80150225)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 血小板 / 凝集 / 流体力学的相互作用 |
Research Abstract |
血液凝固の初期段階である血小板の凝集現象に対して血液流れが及ぼす影響を明らかにするために、本研究では、流れ中における血小板の微視的挙動に対して、実験と数値シミュレーションの両面から流体力学的解析を行った。 (1) PDMS製マイクロ流路に、蛍光をラべルした血小板あるいは血小板模擬粒子である蛍光粒子を混入させた赤血球サスペンションを流し、血小板挙動を共焦点レーザー走査顕微鏡システムにより観察・測定した。ヘマトクリットを0~44%の範囲で、蛍光粒子径を1.0~4.8umの範囲で変化させて実験を行った結果、赤血球を含まない場合には粒子は断面内で滑らかに運動し、一様分布するのに対し、赤血球の存在下では相互作用により流れに対して垂直方向に大きく変動しながら運動し、ヘマトクリットと粒子径のいずれかが大きい場合に粒子分布は流路壁付近に顕著に偏ることが分かった。(2) 数値シミュレーションでは、管内流れ中の粒子運動をフロント・トラッキング法により数値解析した。赤血球と血小板に対応して大きさと変形性が異なる2種類の粒子が混じって流れる場合については、大きく変形性の高い粒子は流路中央に寄り、小さく変形性の劣る粒子は流路壁に寄る傾向にあることを明らかにした。(3) 凝集体形成に及ぼす流れの影響に関して、せん断流れ中のブラウン粒子の凝集過程を数値シミュレーションにより解析した。凝集体が回転する場合および粒子の結合確率が相対速度と正の相関をもつように変化させた場合に凝集過程を調べた結果、形成された凝集体のサイズ(凝集粒子数)および形状が周囲の流れ場や凝集体の運動により大きな影響を受け、特に結合確率が速度依存性をもつ場合には凝集体が加速度的に成長する結果が得られた。これらの結果から、血小板の凝集過程には周囲の流れ場が大きな影響を与え、赤血球との流体力学的相互作用が重要な因子となっていることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(28 results)