2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23360092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大宮司 啓文 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10302754)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ流体力学 / 化学物理 / 化学工学 / 物質移動 |
Research Abstract |
吸着材、フィルタ、触媒層、電極など、ナノ細孔を有する工業材料の高性能化・高機能化は、グリーン・イノベーションのコア技術の一つと考えられる。ナノ細孔内部の物質移動が正確に理解できれば、物質移動の視点から細孔構造や表面特性を最適化することが可能になり、ナノ細孔を有する工業材料の新たな設計指針の提案が期待される。 本年度は、高い規則性をもつ2次元細孔構造をもつメソポーラスシリカ薄膜をマイクロメートルのスケールで合成することに取り組んだ。メソ細孔の1次元配向性と2次元ヘキサゴナル配列の両方をマイクロメートルのスケールで制御するための条件を明らかにした。薄膜生成時における、前駆体溶液の流体力学的挙動、およびテンプレートとなる界面活性剤分子の自己組織化の過程を解析し、マイクロメートルのスケールでメソ細孔構造を制御するときの問題点を明らかにした。具体的には、薄膜生成法の中でも、特にディップコーティング法について検討し、引き上げ速度、乾燥工程などが膜厚やメソ細孔構造へ与える影響を明らかにした。時間、空間スケールの異なる物質移動現象を上手く制御することによりメソ細孔構造をマイクロスケールで一様に作ることが可能になる。 来年度は、本年度の成果を踏まえて高精度に構造制御されたメソ細孔内部を流れるイオン移動現象について実験計測を行う。また、平滑な表面ではなく、様々なマイクロ構造体のある表面におけるメソポーラスシリカ薄膜合成に取り組み、メソ細孔の構造について考察することを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の主な目的は、高精度に構造制御されたメソ細孔内部を流れるイオン移動現象を実験的に明らかにすることである。メソ細孔を高精度に構造制御するところに当初の予定より時間がかかり、やや遅れているが、本研究課題の終了時までには、当初の予定通りイオン移動現象の実験計測まで行う。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の通り、研究を遂行する。
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