2012 Fiscal Year Annual Research Report
SOFC燃料極のミクロ・メゾ構造制御による緩やかな直接内部改質反応の実現
Project/Area Number |
23360098
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩井 裕 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00314229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 英生 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50166964)
齋藤 元浩 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90314236)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 改質反応 / 固体酸化物型燃料電池 / 多孔質電極 / 微構造定量化 |
Research Abstract |
700~1000℃という高温で作動する固体酸化物形燃料電池(SOFC)の燃料極としては,ニッケルと酸化物の混合多孔質が有力な候補である.電極に含まれるニッケルを触媒として炭化水素燃料を電池内部で水蒸気改質する直接内部改質が可能となる.電池内で発生した熱を改質に有効利用できることが利点であるが,改質反応にともなう強い吸熱のため燃料流入り口付近で局所的に温度が下がり,大きな温度勾配が生じてセルが割れる恐れがあり,対策が必要である.本研究は,直接内部改質時にセル温度を均一に保つために,水蒸気改質反応を緩やかに進行させる方法の確立をめざす.まずSOFCの燃料極を模したニッケルと酸化物の混合多孔質を自作する.混合割合や焼成条件を変更することで,多様なミクロ構造を持つ燃料極を作製し,それらについて供給ガスや温度を制御した精密な改質反応実験を行なう.収束イオンビームをもつ走査型電子顕微鏡(FIB-SEM)等を活用して燃料極のミクロ構造データを取得し,改質性能とミクロ構造の相関付けをおこなう.得られたミクロ構造データを活用する改質反応モデルを構築し,数値解析プログラムを開発する.解析結果と実験データを比較してプログラムを検証したうえで,改質活性領域の特定をおこなう.現有の単セル解析プログラムに改質反応モデルを組み込み,改質反応の抑制に有効な構造制御を,数値計算結果をもとに提案する. 平成24年度はニッケルと酸化物の混合比や焼成条件を変更して微構造が異なる資料を自作し,改質実験とFIB-SEMによる微構造定量化を行った.多孔質電極中における空隙とニッケルの界面面積当たりの反応速度式を導出した.また電極を多孔質として扱う数値解析プログラムを開発し,これに定量化した微構造パラメータと反応速度式を適用した.初期の比較では,数値解析結果は良好に実験結果を再現した.今後より詳細にその妥当性を検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由)当初予定していた改質実験と多孔質微構造の定量化が概ね順調に進んでいる.また数値解析コードの開発も順調に進展しており,その初期段階の評価では,定量化された微構造パラメータを適用した数値解析結果が,実験結果をよく再現することが確認された.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるH25年度は前年度までに続き改質実験を行ないデータの蓄積に勤めるとともに,FIB-SEMを活用した多孔質微構造の定量化をおこなう.得られた微構造パラメータをこれまでに開発した数値解析プログラムに適用し,改質実験の結果を数値的に再現できることを確認する.そののち,多孔質微構造の非一様分布を仮定したの数値解析を実施し,改質反応を適切に抑制す微構造分布について検討する.代表的な分布について,実験を行い,その有効性を示す.最後に全体を総括する.
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Research Products
(4 results)