2011 Fiscal Year Annual Research Report
スマートエネルギーシステム実現のための高度熱電併給システム制御技術
Project/Area Number |
23360103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金子 成彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70143378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 由大 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60376514)
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Keywords | 動的設計 / エネルギーシステム / 分散型エネルギー / マイクログリッド / スマートエネルギー / 過渡特性 / ガスエンジン / 変動補償 |
Research Abstract |
本研究は、太陽光や風力などの変動を伴う再生可能エネルギーによる分散型電源の変動を補償するため、ガスエンジン(GE)やマイクロガスタービン(MGT)を用いたマイクロコジェネレーションシステム(熱電併給システム)と蓄電池から構成されるスマートエネルギーシステムの動的設計に関する研究である。今年度の計画は、以下の3つのパートより構成されている。 (1)GEによる供給側変動補償技術の進化と確立:従来から筒内の燃焼状態の計測用に使ってきた圧力センサーに替わり、燃料の変動をより簡便に捕らえるためにクランク軸に取り付けた高応答のトルクセンサーから燃焼圧力を取得する手法について検討する。トルク信号にはノイズや制御に必要ではない情報も重畳されているので、信号処理によって、制御に必要な信号のみを取り出す工夫が研究の中心となる。また素反応過程を考慮した数値計算により、燃料組成の違いがエンジン内燃焼に及ぼす影響の調査も行う。 (2)MGTによる供給側変動補償技術の進化と確立:MGTは高負荷運転の際に燃焼器に振動燃焼が発生し、運転が不能となることがある。MGTの運転の際に問題となる高負荷運転時の燃焼振動の解明が必要である。 (3)スマートエネルギーシステムダイナミクスシミュレーション技術の構築:マイクログリッドに風車、太陽光発電等の変動要素と負荷を繋げた場合の変動補償計算が可能なソフトウェアを構築する。具体的には、太陽光発電(PV)、ガスエンジン(GE)、マイクロガスタービン(MGT)、蓄電池(BT)等の発電装置および送配電系統の動特性を伝達関数の形で表現し、過渡特性を計算できるシミュレータの開発までを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ガスエンジンによる太陽光発電の変動補償に関する研究部分は順調に進行している。また、ガスタービンの燃焼振動対策についても概ね順調である。システム化の部分がやや遅れているのが気がかりである。今後はペースアップを図りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
少し遅れ気味のスマートエネルギーシステムダイナミクスシミュレーション技術の構築については、太陽電池、ガスエンジン、蓄電池などの機器単体の動特性だけでなく、発電装置および送配電系統の動特性を調査する必要がある。研究に協力頂いている東京大学大学院工学系研究科電気系専攻の馬場旬平先生にアドバイスを頂き、研究を加速させたい。
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