2011 Fiscal Year Annual Research Report
環境適応・環境構造可変機能をもつ超冗長機械システム群のダイナミクスベースト知能
Project/Area Number |
23360105
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松野 文俊 京都大学, 工学研究科, 教授 (00190489)
|
Keywords | 可変拘束機能 / 可変構造機能 / 環境構造可変機能 / 超冗長機械システム群 / ダイナミクスベースト制御 / 群制御 / 群知能 |
Research Abstract |
本研究では、環境に適応する機能(可変拘束・可変構造機能)をもつ個体が群れを成し、自らが環境を改造して群れに適した環境へと変化させる機能(環境構造可変機能)をもつ超冗長機械システム群の運動知能および群知能について考える。本研究では、生物を拘束条件を変えることができる可変拘束機能と、それらが相互に結合・分離するような可変構造機能をもつ超冗長システムとしてとらえる。まず、個体での物理法則にかなったダイナミクスベースト制御を前提とした運動知能について考察する。さらに、群として環境に適応するだけでなく、自らに適応するように環境を改造する群制御・群知能について考察し、「ダイナミックスベースト-インテリジェンス」の概念の適用範囲を"個から群れへ""環境適応から環境改造へ"と拡張することが本研究の目的である。 今年度は以下の研究を実施することができた。 (1)可変拘束ハイブリッドシステムのダイナミクスベースト制御: (a)サイナスリフティング滑走・サイドワインディング滑走の数理的解析 1.サイナスリフティング滑走に関する動力学モデルの導出 2.最適化問題解法アルゴリズムとシミュレータの開発 (b)木登りタスクに関するダイナミクスベースト制御 1.円柱との接触点が変化する場合の動力学モデルの導出 2.滑落回避の条件の導出 (c)ジャンプタスクに関するダイナミクスベースト制御 1.体幹の接地部の最適形状と浮遊部の最適運動の導出 2-シミュレータの開発 (2)可変構造群システムのダイナミクスベースト制御・インテリジェンス 1.環境やタスクに合わせた最適なモジュール数および結合形態生成アルゴリズムの構築 2.任意のモジュール数および結合形態に対応できる歩容生成アルゴリズムの構築 (3)可変拘束・可変構造群システムのダイナミクスベースト制御・インテリジェンス 1.フェロモンコミュニケーションの最適化についての考察 2.マクロモデルとミクロモデルの構築とシミュレータの構築
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に研究計画から大きく遅れることなく、概ね順調に進展しており、成果を論文として発表できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)可変拘束ハイブリッドシステム:蛇のサイドワインディング滑走・サイナスリフティング滑走、木登り・ジャンプタスクなどに関するダイナミクスベースト制御系の構築 (2)可変構造群システム:モジュラー脚ロボットの環境に適した最適構造生成アルゴリズム、任意の脚数脚配置に対応できる歩容生成アルゴリズムの構築 (3)可変拘束・可変構造群システム:蟻の協調運搬におけるフェロモンコミュニケーションの最適化、採餌における自律集散系の考察と協調運搬アルゴリズムの構築 (4)環境構造可変群システム:蟻の採餌における穴埋め・架橋行動および分業行動の数理的解析と群行動アルゴリズムの構築 に関して予定通り、モデリング⇒制御系設計・アルゴリズム構築⇒シミュレーション⇒実機実験の流れで進める。
|