2012 Fiscal Year Annual Research Report
車両アシスト制御システムの人間中心設計法とその評価方法の確立
Project/Area Number |
23360106
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西村 秀和 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科, 教授 (70228229)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小木 哲朗 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科, 教授 (00282583)
高橋 正樹 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (10398638)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | アシスト制御 / 運動制御 / 制御システム / システム設計 / ドライビングシミュレータ |
Research Abstract |
まず,簡易ドライビングシミュレータを3画面化し,ドライバーが交差点で右折する時の状況を再現できるように環境を整えた.3画面同時にドライバーの運転と同期をとって交通環境を描画するために画像ボードを含めたシステムの更新を行った.その上で,交差点内で対向車を検出し,ドライバーの制動操作をアシストするための制御システムの設計を行った.車両を安全な場所で制動する必要があるため,どのようなタイミングで制動をかけることで安全が確保できるのかをドライビングシミュレータ上で確認することができ,制御方策を立てやすくできることを明らかにした. 交差点内での制動アシスト制御に関して,そのシステム仕様を決める段階でドライビングシミュレータを活かすことの重要性が明確となった.さらに,制御系設計を行う際に積極的にドライビングシミュレータを活用しながら設計を進めることで,ドライバーとの相互作用がどのタイミングで生じるのかを把握することができた.このことは,制御システムの不具合をシステム開発の早い段階で見つけることができることを意味し,設計上の大きな利点と言える. 当該研究で利用するドライビングシミュレータでは,交通環境を容易に構築できる.対向車や歩行者などのオブジェクトを設定した上で,シナリオの構築,変更が容易に行えるため,さまざまな環境下で制御システム設計とその検証を行える. なお,これらの研究成果の一部を,自動車技術会春季大会2013および日本機械学会2013年度年次大会で発表予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
簡易ドライビングシミュレータの3画面化により,ドライバが,交差点内での対向車の検出と横断歩道を渡る歩行者の発見を行えるようになり,ドライバーが交差点で右折する時の状況を再現できる環境を整えた.その上で,交差点内で対向車を検出し,ドライバーの制動操作をアシストするための制御システムの設計を行うことができた. 交差点内での制動アシスト制御に関して,そのシステム仕様を決める段階でドライビングシミュレータを活かすことの重要性が明確となった.この研究成果の一部を,自動車技術会春季大会2013および日本機械学会年次大会2013で発表予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
ドライビングシミュレータ上でさまざまな交通環境や周辺の状況変化を作り出し,そうしうた環境に応じてドライバが行う運転との相互作用を考慮して,アシスト制御システムを設計する方法を確立する.簡易型ドライビングシミュレータ上で,制御系設計を進めるためのプロセスを明確にすること,および,そのために考慮するべき交通環境やユースケースシナリオを明確にする. 研究分担者(小木哲朗)との連携により,実車,簡易型ドライビングシミュレータ,および3次元没入型ドライビングシミュレータを用いたドライバ評価を実施する.簡易型ドライビングシミュレータでは,設計したアシスト制御システムに関する評価を行う.また,視点計測装置を用いて実車走行,3次元没入型ディスプレイの中でドライバの運転行動を把握する.これらの評価を通じて,アシスト制御システムの設計で考慮するべき交通環境やユースケースシナリオのデータベース化につなげる. 研究分担者(高橋正樹)との連携により,ドライバの認知・行動モデルの詳細化を試みる.これによりアシスト制御システムの設計プロセスの妥当性を検討する.この検討により,簡易型ドライビングシミュレータ上でのアシスト制御システム設計に際してドライバとして行うべき行動の明確化と,それを誘因する交通環境設定を確立することができると考える.
|
Research Products
(7 results)