2011 Fiscal Year Annual Research Report
作業支援パートナロボットの確率論的協調メカニズムに関する研究
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23360107
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小菅 一弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30153547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 雄介 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60373031)
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Keywords | 人間機械システム / 確率論的協調メカニズム / パートナロボット / インタラクション / ロボットアーム / 意図理解 / 意図推定 / 衝突安全システム |
Research Abstract |
本研究課題は,自動車等の組立作業ラインにおける産業用ロボットによる自動化が困難な工程において,人間の負担となる作業をロボットが支援することによって,作業者の負担軽減や作業ミスの防止を行うことを目的としている.本年度は,作業者状態推定手法と操作力意図理解手法について開発を行う予定であったが,実験の都合上,作業者状態推定手法と協調的部品工具供給手法について開発を進めた.本年度の成果は次のとおりである. 1.作業者の行動履歴からマルコフモデルを用いて作業者の行動のモデル化を行い,それを基に作業者の行動を解析し,作業箇所の抽出および分類を行うことで作業者の状態を推定する手法を開発した.これにより,従来は事前に行っていた手作業による作業分析を行う必要がなくなり,実用性が格段に高まった. 2.作業者の行動モデルと計測される作業者の位置から作業者の行動予測を行い,その予測を基に作業者に協調して部品と工具の供給を行う手法を開発した.この手法により作業に付随する待ち時間が短縮されることにより,作業効率の向上が認められた.また,部品・工具の受け渡しタイミングのずれがなくなり協調作業のミスがなくなった. 3.これまでに開発してきた軽量高可動範囲ロボットアームに改良を加え,様々な状況におけるロボットアームの機構・形態について検討を進めた.またそれに伴い,部品・工具供給システムについても開発を行い,検討を進めた. 4.実際の製造ラインで実験を行う前に原理確認を行うための模擬実験環境を整え,上記の項目について評価実験を行った.従来の手法と提案するシステムを導入した場合について実験を行った結果,作業時間の短縮効果と作業ミスの未然防止効果を得られることが認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,作業者状態推定手法と協調論的部品工具供給手法について開発を行い予備実験により効果の検証を行っている.また,軽量広可動範囲アームのおよび部品・工具供給システムについても検討が進んでいることから,本研究は,当初の計画どおりおおむね順調に進展していると評価できる状況にある.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,本研究課題における基盤技術である作業者状態推定手法と協調的部品工具供給手法がマルコフモデルを用いた手法により,状態推定の精度が上がるのみならず作業予測を行えるまで進歩したことは今後の研究の推進に大いに貢献すると考えられる. 今後は,当初の計画で提案したように方法論の一般化を行い,様々なパートナロボットへ適用することで社会への還元ができるレベルまで進展させることを目指す.また,作業者の意図理解手法を開発することで適応的な動作計画を行う衝突安全システムを構築することを重点課題として進める.
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