2011 Fiscal Year Annual Research Report
ワークと工具間の6自由度相対運動計測と補正フィードバックによる超精密機械システム
Project/Area Number |
23360110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Intelligent mechanics/Mechanical systems
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大岩 孝彰 静岡大学, 工学部, 教授 (00223727)
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Keywords | 超精密機械システム / パラレルメカニズム |
Research Abstract |
本年度は,ワークとツール間の6自由度相対運動を計測するための6自由度パラレルメカニズム形運動誤差計測装置を構成する1本の連結連鎖(ストラット)を設計試作し,熱的および力学的外乱に対する精度評価を行う.まず誤差補正システムを内蔵した受動的ストラット(連結連鎖)の計測精度を評価する方法および装置(テストベッド)について検討した.過去の研究で試作したテストベッドは原理的に装置の熱膨張の影響を受けやすかったため,高価な低熱膨張材を用いて製作されたが,本研究計画では熱変形の影響を受けにくい配置とした.その反面,装置内で発生する姿勢誤差の影響を受けるため,予め計測しておいた姿勢誤差情報を用いて長さ計測値を補正することとした.過去に製作したストラットの精度計測を行い,長さ測定精度が1μm以内であることを確認した.しかしながら,レーザ干渉計測システムを用いた計測系におけるデッドパスによる室温変動の影響が大きいことが判明した.よって来年度はデッドパスを最小化するように設計した装置の開発を行う. また,従来のストラットでガラススケールとスケールヘッドを用いて変位計測を行っていたが,本研究計画ではレーザ干渉計の原理を用いたレーザエンコーダを用いる.初めに,永久磁石を用いて吸着する原理の球面ジョイントの設計を行った.超硬球と円すい内面が接するように設計した球面ジョイントを試作したが,超硬球に対する磁力が小さいことが判明したため,軸受用鋼球を用いる方式に変更した.次年度は以上の球面ジョイントを含めたストラットの開発を行う. また研究計画調書の平成23年度以降に記載したパラレルメカニズムのキャリブレーション手法についての研究を行い,冗長受動連鎖およびボールプレートを用いた機構パラメータ同定手法についての数値シミュレーションおよび実験機による実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学科長業務等により研究に携われる時間が十分に得られなかった.また,超硬球に対する磁力が想定より弱く,十分な吸着力が得られずジョイント部の設計変更を余儀なくされた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,超硬球ではなく軸受用鋼球を用いたジョイントの設計を進め,ストラットの試作を完成させる.またストラットの精度評価装置(テストベッド)におけるデッドパスエラーの影響を排除し,高精度な精度評価を達成する.
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