2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23360112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Intelligent mechanics/Mechanical systems
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮崎 文夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20133142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 敦 信州大学, 繊維学部, 教授 (20283731)
平井 宏明 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (60388147)
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Keywords | ロボティクス / 人間機械システム / リハビリテーション / コーチング |
Research Abstract |
【研究目的】本研究は、冗長筋骨格系を有する人およびロボットの運動制御や運動支援を「筋シナジー」という1つの共通概念で解釈し、筋シナジーの抽出/予測結果をもとに「人と機械の融合」について考察するものである。ここでは、筋拮抗比・筋活性度の2つの新概念を導入し、冗長筋群の活動を運動タスク固有の筋シナジーと関連づけることで、(1)身体の運動制御モデル(中枢において数少ないタスク変数で表現された運動指令が筋シナジーを介して多くの筋群の活動指令に変換されるモデル)を確立するとともに、(2)マスタ(人)の運動意図をリアルタイムに読み取り、スレーブへの運動指令に自動変換を行う「人と機械をつなぐ知的情報処理システム」の開発を行う。本課題は、運動生理学における未解決問題(Bernstein問題)の解決への糸口を筋シナジーに基づく階層制御モデルとして提示し、これをインタフェースとすることで、異なったタイプの人と機械の融合を具現化することを目的とする。 【研究成果】今年度の研究成果は、大きく以下の2点である。 1.融合タイプI「人の運動スキルの筋骨格ロボットへの移植」 多様な運動タスク(歩行・走行・ペダリング・手先力制御等)に申請者らの有する筋シナジー抽出技術を適用し、筋シナジーと生成運動の関係を解析することで、提案する身体運動制御モデルの有用性を検証した。また、いくつかの運動タスクにおいては、本モデルを介した人の運動スキルの筋骨格ロボットへの移植に成功している。これらの成果は、学術論文、学会発表の形でまとめら也ている。 2.融合タイプII-b-「力覚提示ロボットを用いた人の運動スキル支援」 一定力場が提示される環境下において人が運動タスクに習熟していく過程を筋シナジーの観点から解析した。現在、提示される環境に応じて、人は筋拮抗比・筋活性度の2つのパラメータを巧みに調節することでタスクに習熟していくことが明らかになりつつあり、今後は、本知見をどのようにスキル支援へ応用していくかが課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ、研究を遂行する上で、大きな問題を生じていないため。 なお、今年度の課題を通して明らかとなった課題については、来年度以降、解決を図っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究成果を生かし、今後も予定通り研究を進めていく。 来年度は、融合タイプIの研究を深化させるとともに、新たな融合タイプII-a,IIIへ取り組むことで、筋シナジーの概念の拡張を図っていく。
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Research Products
(17 results)