2012 Fiscal Year Annual Research Report
感光性ポリマーを用いた低コスト、大偏向角駆動MEMSミラーの研究
Project/Area Number |
23360113
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大平 文和 香川大学, 大学本部, 理事 (80325315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 孝明 香川大学, 工学部, 准教授 (10378797)
生津 資大 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90347526)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロマシン / マイクロメカトロニクス / マイクロミラー / MEMS / ポリマーデバイス / マイクロファブリケーション / 知能機械システム |
Research Abstract |
1.感光性ポリイミドを用いた電磁駆動型ミラー (1)これまでの研究において、感光性ポリイミドを用いたミラーの製作と駆動を確認できたので、次の課題である、ミラーの安定駆動について研究を推進した。(2)本研究では、ミラーの安定駆動のために、一括形成・集積化・製作の容易性等を考慮し、誘導起電力によるセンシング法を用いたセンサー集積型ポリマーMEMSミラーを提案し本デバイスを実現することとした。このため、センサーコイルをミラー面に形成し、これによりミラーの回転による誘導起電力を検出してその回転角度を検出するセンサーを設計し、プロセスにより実現した。(3)デバイスの駆動特性を評価した結果、DC駆動特性で30度以上の偏向角が得られた。また、センサーの特性を評価した結果、ミラー偏向角を得ることが出来た。これにより、集積化したセンサーを用いてミラー角度をモニタリングすることで、振幅制御が出来る可能性を示した。 2.SU-8と磁性粒子を用いた磁気駆動型ミラー (1)磁性粒子を含有したSU-8を構造体として用いる場合、その機械的特性が重要となる。そのため、本研究では、磁性粒子の種類(Fe2O3,Fe3O4 など)や混合度などによる、ヤング率や破断応力への影響につき評価した。(2)その結果、今回の測定範囲内では、微粒子の含有率や粒子径はヤング率へほとんど影響しないこと、一方、微粒子の含有率が高くなるに従って破断応力は低下する傾向が明らかとなった。(3)本原理に基づき、2軸駆動型MEMSミラーデバイスを設計し製作した。ヒンジ部はつづら折り構成のト―ションバーとし2次元での駆動を可能とした。駆動特性を評価した結果、偏向角度20度以上でもト―ションバーのせん断応力は弾性領域内であることが明らかとなった。これにより、本構成で2次元光偏向デバイス実現の可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポリマーを用いたマイクロミラーデバイスの設計、製作、評価が計画通りに進捗している。新しいセンサーデバイスの提案と原理確認、またデバイスの2次元駆動など、本研究で提案したデバイスの実現に向け着実に成果をあげている。
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Strategy for Future Research Activity |
センサーの実現や2次元駆動の確認などが出来て、計画通りに進展していることから、今後は予定通り、駆動制御や性能評価など目標デバイスの実現に向けて研究を一層加速する。
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