2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23360116
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川本 広行 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50318763)
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Keywords | メカトロニクス / 精密機械システム / 電機エネルギー工学 / 静電力応用 / 太陽電池 / メガソーラー / 月面探査 |
Research Abstract |
二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギー源として,大規模な太陽光発電と太陽熱発電が注目されている.これらは日射量の多い砂漠地帯に設置するのが効率的であるが,太陽電也パネル上に砂が堆積し,発電効率を低下させることが問題となっている.これに対し本研究では交流電圧を用いた静電クリーニングシステムを考案した. 本システムの主構成要素であるクリーナーパネルは、太陽電池パネルの表面カバーガラスに電極を埋め込む方式を試作した。このクリーナーパネルは光透過性でなければならないため、安価なワイアを電極とし、電極による遮光を最小限にするよう、6-10mm程度にピッチを広げることができるかを検討した。いっぽう電源は、2層交流電界を印加することを検討した。この場合粒子は一方向には搬送されないが、実際の太陽電池パネルは多少とも傾いているので、重力を利用することによって、ダストを排出できる可能性がある。これらが可能になれば、システムを大幅に簡略化できる。以上の方式により、太陽電池モジュール中に本システムを組み込むことによる発電量の低下はほぼないこと、太陽電池モジュール大の基板を用いた実験において,クリーニング効率90%以上を維持すること、および本システムの消費電力は実質的にほぼゼロであることを確認した. なお、月探査への応用にも看過できないニーズがあるので、NASAやJAXAとも連携を保ちながら、太陽電池やレンズの静電クリーニング、宇宙服に付着するダストのクリーニング、機械的シール部のダストシールド、ISRU(In-Situ Resource Utilization)のためのレゴリス搬送など本研究を応用した研究も行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験室内でのデータではあるいが、当初期待した基本性能を得ることができた。また、月探査への応用でも進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、さらなる性能向上と実使用環境での適正評価へ移行する予定である。
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