Research Abstract |
平成23年度は独自のフィッシュボーン構造,インダクタセル,DC電流源モジュール重畳方式などの未開拓トポロジー群を出発点として,それらの一般化,組合せ,拡張,合成,簡単化などについて検討し,新たなトポロジー群の探索と創出を行った。また,新規トポロジー群の制御方法を検討しながら,計算機シミュレーションにより主回路動作の確認を行った。同時に新規トポロジー群の主回路実装に関する検討も進め,プロトタイプを試作するための準備を行った。以上の研究活動を通じて次の結論が得られた。 (1)フィッシュボーン構造の電流形インバータにインダクタセルを並列接続した新たなマルチレベル化手法を創出した。従来のHブリッジ電流形インバータにインダクタセルを並列接続してもマルチレベル化できることも明らかにした。続いて,HブリッジにDC電流源モジュールを重畳することによっても,更には,それにインダクタセルを並列接続してもマルチレベル化が可能であることを示した。 (2)Hブリッジ,Hブリッジ+DC電流源モジュール,Hブリッジ+インダクタセル,フィッシュボーン,フィッシュボーン+インダクタセルなどについて,出力レベル数と回路構成との関係を一般的な形に定式化した。 (3)上記,種々の新しいトポロジーについて,スイッチング素子数,リアクトル数,ドライブ回路電源数など多様な観点から比較評価を行い,Hブリッジ+DC電流源モジュールの構成が最もスイッチング素子数が少なく,回路構成も簡単化されることを明らかにした。 (4)計算機シミュレーションにより,導かれた新トポロジーの主回路動作を確認し,いずれも所望のマルチレベル波形が得られることを確認した。 (5)主回路実装に関する検討を行うとともに,ドライブ回路等の設計を進めた。特に,本課題では複数の電流源が必要となるため,その基となる電流制御形チョッパをモジュール化して開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究計画には(1)新規トポロジー群の探索,創出,(2)計算機シミュレーション,(3)予備実験が掲げられており,全項目にわたりほぼ予定通りに進捗したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は当初予定通り,(1)新規トポロジー群のプロトタイプ試作と実機検証,(2)種々の方式について比較検討,(3)マルチレベル電力変換器の技術体系拡張と再構築,(4)次世代半導体素子の適用技術検討と実験評価を行う。
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