2012 Fiscal Year Annual Research Report
マルチレベル電力変換器の新規トポロジー群創出と技術的枠組みの再構築
Project/Area Number |
23360122
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
野口 敏彦 静岡大学, 工学部, 教授 (10237828)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | パワーエレクトロニクス / 電力工学 / 電気機器工学 / 制御工学 / マルチレベル電力変換器 / 電流形インバータ / トポロジー |
Research Abstract |
平成24年度は前年度に創出したフィッシュボーン構造,インダクタセル,DC電流源モジュール重畳方式のプロトタイプを開発し,それらの実機検証を行った。これらに加えて,インダクタモジュール方式を新規に考案し,マルチレベル化技術の拡張に貢献した。また,次世代半導体素子の適用技術としてスイッチングアシスト補助回路を検討した。以上の研究活動を通じて次の結論が得られた。 1.フィッシュボーン構造,インダクタセル,DC電流源モジュール重畳方式のプロトタイプを開発し,それらの実機検証を行った結果,いずれの新しい方式も良好なマルチレベル波形を生成できることを確認した。 2.インダクタ1個とスイッチング素子2個だけからなるインダクタモジュールを多段化することによりマルチレベル化する手法を新たに考案した。これによれば,1段のインダクタモジュールにつき出力レベル数を2つ増加させることができることを明らかにし,その一般化理論を構築した。これまでに創出したマルチレベルインバータのほか,従来から一般に知られているものと,インダクタモジュール方式マルチレベルインバータを,スイッチング素子数,リアクトル数,ドライブ回路電源数など多様な観点から比較評価を行い,Hブリッジ+インダクタモジュール方式が最も素子数が少なく,回路構成も簡単化されることを明らかにした。 3.次世代半導体素子の適用技術としてMOSFETの寄生容量に起因したターンオフの遅延を解消するスイッチングアシスト補助回路を考案し,実機によりdv/dtを20倍以上高められることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究計画には,1.新規トポロジー群のプロトタイプ試作,2.プロトタイプによる実機検証,3.種々の方式について比較検討,4.マルチレベル電力変換器の技術体系拡張と再構築,5.次世代半導体素子の適用技術検討と実験評価が掲げられており,全項目にわたりほぼ予定通りに進捗したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は前年度に引き続き,1.新規トポロジーのプロトタイプ試作と実機検証,2.種々の方式について比較検討,3.マルチレベル電力変換器の技術体系拡張と再構築,4.次世代半導体素子の適用技術検討と実験評価を行う。また,これまでに得られた新規トポロジーの応用技術についても見当を進めていく。
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