2011 Fiscal Year Annual Research Report
放電プラズマアシストによる窒素酸化物の低温還元プロセス
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23360123
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
高島 和則 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60303707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 彰 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20144199)
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Keywords | スライド放電 / 沿面放電 / ディーゼルエンジン / 排ガス / 湿度 / NH3-SCR |
Research Abstract |
本研究は放電プラズマと触媒を複合的に利用した窒素酸化物除去法に関する基礎的な検討を行うことを目的としている。ディーゼルエンジン排ガス中に含まれる窒素酸化物の除去のためにはアンモニアを還元剤を用いた触媒的還元法が用いられているが、最新のディーゼルエンジンでは熱効率の改善に伴って低負荷時の排ガス温度が触媒の動作温度を下回ることがある。従って、本研究の最も重要な課題は、アンモニアを還元剤とするNH_3-SCR反応において触媒の活性化温度を下げる手法を見出すことである。そのために放電プラズマと触媒とを併用する手法に関する実験的研究を行った。 本年度は自動車排ガス処理に通常使われている触媒がセラミック製であることに着目し、研究代表者らが開発した二次元的な広がりを持つ放電を絶縁物の表面上に大気圧下で安定に発生させる手法(スライド放電)を利用して、多数の微細な貫通穴を有するハニカム状の触媒表面に放電プラズマを生成させる手法の開発を行った。 最初に、準閉鎖的な空間であるハニカムの表面上にスライド放電と同様のスキームで沿面放電を発生させることができるか検討した結果、安定に長さ方向に進展する放電を生成することが可能な条件を見出した。また自動車排ガス中には多量の水分が含まれているため、放電が雰囲気ガスの湿度によってどのような影響を受けるか実験的な検討を行った。その結果、放電の最適な条件は湿度によって変化するが、ディーゼルエンジン排ガス中に含まれる程度の水分が含有した条件においても触媒表面上に放電プラズマを生成することが可能であることを明らかにした。スライド放電に適したハニカムの作成法の基礎的検討についても実験データの取得を進めている。また、次年度以降に予定されているSCR触媒上でのプラズマ化学反応の解析のための測定系および実験系の構築に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画したすべての研究課題に着手した。一部の課題についでは当初の計画を上回る成果を得た。その他の課題についても概ね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究によって得られた成果を踏まえて触媒表面上に放電プラズマを生成するための条件をより詳細に調べると同時に、担持される金属が異なる触媒に対しても同様の手法が適用可能か調べる。また、触媒表面上における化学反応の同定のための測定系を構築し、データを収集することを目指す。さらに、放電と併用するための触媒の形状や構造の探索を行い、プラズマ発生のための電気的条件と触媒の構造等の機械的な条件の最適化を図ることを目指す。
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Research Products
(4 results)