2011 Fiscal Year Annual Research Report
磁気波動減速機内蔵メガトルクアクチュエータを搭載した人間型ロボットの開発
Project/Area Number |
23360125
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 勝弘 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00403139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河瀬 順洋 岐阜大学, 工学部, 教授 (20144735)
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Keywords | ロボット / モータ / 減速機 / 磁力 |
Research Abstract |
人間型ロボットの駆動系として,電動モータと減速機の組み合わせが一般的であるが,小型化・低消費電力化のために高トルク・高効率,更にはコンプライアンスを実現できる高性能な減速機が不可欠である。近年,永久磁石の磁力を用いて非接触で力の伝達を行う様々な磁気減速機構が提案されているが,実用的なレベルには達していない。本研究では,これまで研究してきた高性能な磁気波動減速機をもとに,高トルク・高効率・コンプライアンスを実現できる減速機構の開発と,この減速機をアクチュエータと一体化した革新的なメガトルクアクチェータの開発を行う。更に,開発したアクチェータを搭載した低消費エネルギーの人間型ロボットを開発しその性能を検証する。本年度の実施概要は以下の通り。 1.磁気波動減速機の原理モデルの最適化シミュレーション設計:ラジアルギャップ形減速機,アキシャルギャップ形減速機の両モデルをもとに,人間型ロボットへの搭載へ向けて,新しい磁気波動減速機を考案した。更に,シミュレーションによる構造・寸法の最適化パラメータを抽出し,人型ロボットに実装するメガトルクアクチュエータの開発へ向けての可能性を明らかにした。 2.最適化減速機原理モデルの試作・実験評価:最適化シミュレーションにより得られた減速機の構造・寸法から試作1号機の設計を完了した。 3.メガトルクアクチュエータの構造考案と設計:磁気波動減速機とモータを一体化したメガトルクアクチュエータを考案し,有限要素法シミュレーションによる動作メカニズムを解明した。 4.有限要素法による大規模計算アルゴリズムの開発:三次元有限要素法を用いて,複数の可動部を有する複雑系の動作特性解析シミュレータの基本アルゴリズムを構築した,プログラム開発中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.磁気波動減速機の原理モデルの最適化シミュレーション設計:新しいアキシャルギャップ形磁気波動減速機を考案し,FEMシミュレーションにより最適な寸法を決定した結果60Nm(φ200,L=80)と大きなトルクを得ることができた。これにより,人型ロボットに実装するメガトルクアクチュエータの開発へ向けての可能性を明らかにできた。以上、当初の計画に対して100%達成した。 2.最適化減速機原理モデルの試作・実験評価:最適化シミュレーションにより得られた減速機の構造・寸法から試作1号機の設計を完了したが,試作実験には至らず。以上、当初の計画に対して80%達成した。 3.メガトルクアクチュエータの構造考案と設計:磁気波動型ギアードモータを考案(PAT)して,有限要素法シミュレーションによる動作メカニズムを明らかにした。以上より、達成度は100%。 4.有限要素法による大規模計算アルゴリズムの開発:三次元有限要素法を用いて,複数の可動部(減速機の入力・出力ロータ,及びアクチュエータのロータ)を有する複雑系(磁場+電気回路+運動系の連成)の動作特性解析シミュレータの基本アルゴリズムを構築した。現在,プログラムコーディング中。以上より達成度は80%。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の推進計画としては,当初の計画通り,平成25年度では,平成24年度で実施した最適化設計をもとに,作成した磁気波動減速機の試作1号機の実験結果より抽出した技術課題の改良設計を行い2号機の試作・実験評価を行う。この試作機をもとにアクチュエータと一体化可能な構造を考案し,メガトルクアクチュエータの試作1号機を作成・実験検証する。更に,この試作機を用いて大規模な並列計算シミュレータの解析精度を検証する。更に,平成25年度は,平成24年度に開発したメガトルクアクチュエータの試作2号機の開発と人間型ロボットへの実装を行い,次世代ロボットとしての実現の可能性を明らかにしていく予定。
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Research Products
(12 results)