2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23360127
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
金澤 誠司 大分大学, 工学部, 准教授 (70224574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市來 龍大 大分大学, 工学部, 助教 (00454439)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | OHラジカル / プラズマ / 有害化学物質 / 放電 / 環境改善機器 / 活性酸素 |
Research Abstract |
活性酸素・フリーラジカルのなかでも最も酸化力の高いヒドロキシラジカル(OH)を効果的に発生させて利用できるヒドロキシラジカル発生器(通称:「OHラジカル発生器」)を開発し、その発生量を評価し、さらにそれを応用することを目的に2年目の研究を実施した。 1.OHラジカル発生器の開発(装置開発:第2号試作機):研究1年目に試作した水中放電や水面上放電を用いるOHラジカル発生器では、水と放電の接触が少ないため、放電でOHラジカルは発生しても処理に時間がかかっていた。この問題点を解決するために、新たに気液界面の放電を利用する第2号試作機を開発した。水を水膜状にリアクター壁面へ流し、そこにストリーマ状の放電を作用させる方式とした。さらに小型のパルスパワー電源を導入して、電源とリアクターをコンパクトにしたシステムを完成させた。 2.OHラジカルの計測と高効率発生のための放電特性の解明(基礎特性):OHラジカル計測のための化学プローブ法による測定において試薬の選定および使用条件の最適化を行い、放電によるOHラジカルの生成量を推定した。これまでOHラジカルの評価ができる溶液は、アルカリ性であったが、中性や弱酸性の溶液への適用も可能となった。 3.OHラジカル発生器の有効性の検証(応用研究):気液界面の放電を利用した第2号試作機を用いて、水処理の実験を行った。着色水の脱色実験では,水面上放電を用いた場合120分程度の時間を要していたが、気液界面放電では約6分で処理が完了した。さらに難分解性物質の処理として、界面活性剤を含むモデル排水のほかに賞味期限を過ぎた飲料水のような実際の水処理を想定した実験も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
OHラジカル発生器として、研究1年目に試作した装置の問題点を洗い出し、それを解決するために新たな放電形式を考案して、目的であった第2号試作機を完成させた。さらにOHラジカル生成量測定のために化学プローブ法における使用溶液の適用範囲を広げることができた。応用については、実際の水処理を想定した実験も実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
各種放電により発生するOHラジカルの量を推定したが、その信頼性を保証するためには、別な方法による検証が必要である。実際の水処理では、複数の物資が混在しているため放電処理だけではなく、吸着や濾過といった他の手法との組み合わせが必要となる。そのときに如何にすれば放電の特徴を発揮できるかを調査し、実用できる装置開発を行う。
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Research Products
(22 results)