2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波アシストによるスイッチング原理および超高密度記録への応用
Project/Area Number |
23360131
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡本 聡 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (10292278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 伸明 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80436170)
北上 修 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (70250834)
島津 武仁 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (50206182)
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Keywords | 磁気記録 / 磁気共鳴 / 垂直磁化 / スピンダイナミクス / スピン緩和 |
Research Abstract |
磁気記録を用いたハードディスクドライブ(HDD)は,大容量ストレージデバイスの主力として市場のニーズに応えるべく,大幅な記録密度の増大を達成し続けており,更なる超高密度記録のための次世代技術として,マイクロ波アシスト記録が近年提案され大きな注目を集めている.しかし,現時点ではシミュレーションが先行しており,そのスイッチング原理の解明は殆ど進展していない,本研究では,理論解析モデルの構築ならびに垂直磁化材料を用いての原理実験によりスイッチング機構の解析を進め,大振幅歳差運動に関するスピン動力学やスピン緩和機構の究明を行う,さらには高効率のスイッチングに適した低スピン緩和材料の開発も併せて行い,高密度磁気記録実現のための原理を確立することを目的としている. 研究初年度である本年度は,下記の項目について実施し成果を得た. (1)マイクロ波アシストによるナノドットのスイッチング実験:Co/Pt垂直磁化膜を用いたナノサイズのドットアレイを形成し,微細加工技術を駆使してマイクロ波磁界印加用のCuストリップ線路を配したマイクロ波アシス実験用のデバイス作製を行った.本試料を用いて大振幅マイクロ波を印加しスイッチング実験を実施したところ,理論予測に近いスイッチング挙動を得ることに成功した.一方で,ナノドット間でスイッチング挙動の分布があることも併せて明らかとなった. (2)低スピン緩和材料の開発:Co/PtならびにCo/Pd薄膜におけるスピン緩和係数を系統的に調査した.下地材料やPtならびにPd中間層厚を制御することにより,垂直磁化膜であっても比較的低いスピン緩和係数が得られることが分かった.本結果は,高い磁気異方性Kuを保持しつつ高いマイクロ波アシスト効果が期待される低スピン緩和材料の開発のための設計指針につながる成果である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では主に2つの課題を遂行しているが,2ともに当初の計画通り概ね順調に進展している,
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Strategy for Future Research Activity |
スイッチング実験については,単一ドットかつ更なる微小サイズスケールでの挙動解明を進める予定である.低スピン緩和材料の開発に関しては,引き続き各種材料での測定を進める予定である.現在のところ,大きな問題は無く,計画の変更などもない.
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Research Products
(4 results)