2011 Fiscal Year Annual Research Report
超音波アシスト水熱合成法による100ミクロン厚の高品質圧電厚膜
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23360134
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 剛 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (60344735)
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Keywords | 厚膜 / 強誘電・圧電薄膜合成技術 |
Research Abstract |
今までに、水熱合成法反応プロセスにより高品質なエピタキシャルチタン酸鉛薄膜やニオブ酸カリウム系微細粉末を合成することに成功している。本研究では、独自開発し圧力容器を用いて、水熱合成プロセス中に強力超音波を照射して反応促進させることによって圧電厚膜を得ることを目指している。 本年度は、このような水熱合成反応プロセスの200℃程度の環境下において安定した強力超音波照射を行うために、キュリー点が1210℃と非常に高いニオブ酸リチウム単結晶を積層したボルト締めランジュバン振動子の振動特性評価を行った。その結果、室温環境下においてもPZTランジュバン振動子に比べて高い限界振動速度を示すと共に、高温環境下でも安定に超音波照射を行えることが明らかとなった。また、本研究で提案しているポーラスチタンへの多結晶PZT厚膜の成膜に関する実験を行い、空孔率88%の基板を用いた場合、複雑な内部立体構造チタン上に多結晶PZTが成膜できることをSEM観察により確認した。さらに、多結晶PZT成膜において、超音波照射の効果的な照射条件を模索した。その結果、超音波照射は反応初期に行うことが有効であり、全反応時間24時間のうち18時間照射を行うことで9.2ミクロンの膜厚が得られ、全く超音波照射しない場合に比べて5倍弱の反応促進となり、グレイン構造も密になることを見出した。水熱合成法は、結晶核生成プロセスと成長プロセスに分けて考えることができるが、超音波照射は前者を促進する効果があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超音波照射の性能向上、ポーラスチタンへの成膜、厚膜化の検討など、計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
非鉛圧電薄膜について検討を行っていく予定である。また、繰り返し成膜における最適条件等について実験を行う。
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