2011 Fiscal Year Annual Research Report
異種機能素子統合設計技術と人体行動予知システム用チップの研究
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23360149
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
町田 克之 東京工業大学, 総合理工学研究科, 連携教授 (90597676)
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Keywords | 統合設計 / CMOS / MEMS / 人体検知 / 加速度センサ / センサ回路 / CMOS-MEMS / 異種機能集積化 |
Research Abstract |
最初の1年目は、統合設計技術の課題を体系的に抽出すると共に、マルチフィジックス理工学の基盤構築を図るために、LSIとMEMSを同時にシミュレーションできる設計手法を提案し、設計技術を構築した。さらに、センサの設計・試作・測定環境の構築を行った。以下に具体的に箇条書きで示す。 (1)LSI回路シミュレータ上でMEMS構造体がシミュレーションできるように等価回路モデルを提案し、実証した。Hardware description languageを用いて設計環境を構築した。LSI回路とMEMSの動作を同時にシミュレーションできる見通しを得た。 (2)具体的な統合設計技術の対象として、加速度センサを例にシミュレーションを行いMEMS設計を実施した。加速度センサの構造体を新規に提案し、実際に、単なる解析とシミュレーションとの比較を行い設計手法の妥当性を確認した。 (3)加速度センサをアレイ型に構成し自他いい行動検知を目的とするために異なる加速度検知範囲の加速度センサ設計手法を提案し、実際に設計を行った。3×3の9個の加速度センサを2mm角に収めることを確認した。また、加速度範囲として、1.7Gから20Gまでの加速度検出ができるチップの実現に見通しを得た。 (4)アレイ型加速度センサとしてセンサの構造とプロセスを提案した。実際に試作を行い実現した。 (5)加速度センサの測定系の環境を立ち上げた。 (6)0.35μmBiCMOSLSIを用いてセンサ回路の基本回路を提案し設計試作を行った。設計環境から立ち上げを実施し、設計の見通しを得た。センサ回路として、VCO回路、検出方式を提案し回路構成法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由として、以下の4つが実現できたことが挙げられる。(1)統合設計技術の基盤が構築できたこと。(2)加速度センサの設計・試作が順調に進捗したこと。(3)測定環境が整ってきたこと、(4)CMOSLSIによりセンサ回路の基本設計を実施したこと、である。これらの結果により次年度以降に課題抽出と次のステップに進展できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終的なゴールの一つであるエナージーハーベスト技術の構築が、今後の課題である。デバイスの基本は振動を用いたものを想定している。加速度センサの振動系をどのようにデバイスとして反映させていくか実験進捗を見ながら新しいデバイスの構築に向けた取り組みを行っていく。加速度センサ、エナージーハーベストデバイスだけでなく他のMEMSデバイスへの展開も視野に入れ、基本的なMEMS設計とLSIとの融合の課題についても着手していく。
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