2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ高強度散乱近接場光プロセスによる表面機能光学素子の開発
Project/Area Number |
23360161
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小原 實 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90101998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 裕之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90327677)
斎木 敏治 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70261196)
寺川 光洋 慶應義塾大学, 理工学部, 助授 (60580090)
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Keywords | ナノプロセシング / 近接場光加工 / ミー散乱 / 表面プラズモン / 近接場光トラップ / 表面周期リップル / プラズモン制御 / フェムト秒レーザ |
Research Abstract |
表面機能光学素子開発に資するために、半導体と金属基板上において空問制御性の高い周期構造作製を目指し、表面プラズモンとMie散乱場を制御する実験および理論計算結果を報告した。具体的には、 (1)金ナノ粒子をフェムト秒レーザ照射すると表面プラズモン場が発生し、それ由来の場と入射レーザ場の干渉で、シリコン基板表面に周期構造が形成されることを初めて実験で実証した。表面プラズモン構造を事前に配置することで、任意の周期構造を作製できた。ナノリッジ構造や溝構造によるMie散乱場でも表面周期構造は制御できることをFDTD計算で明らかにした。 (2)高速・大面積への周期パターニングには周期的な微粒子配列が必要である。そこで本研究で自己組織化による2次元配列微粒子系においても高強度近接場光を加工基板表面に発生できる手法を確立した。従来は垂直入射系が主であったが、Si微粒子に対してレーザを斜入射する時の孤立粒子と2次元配列粒子近傍の近接場光分布を解析した結果、s偏光入射する時に2次元配列系においてナノアブレーションに必要な高強度近接場光が発生できることを明らかにした。Poynting vector解析により光エネルギーの流れ考察し、最適な入射角と偏光の組み合わせで高強度近接場光が発生できた。 (3)回折限界以下の周期および径を有するナノホールアレーを用いてナノ突起アレー構造が作製できれば、ナノホールのパターンを任意に制御することで回折限界以下の周期かつ任意のパターンのナノ突起アレー構造の一括作製技術が実現し、新規表面機能光学素子が開発できる。そこで、本研究でプラズモニック・ナノホールテンプレートを用いることで超回折限界の径および周期を有するナノ突起アレー構造を大面積一括作製した。 以上の成果を含め多数の成果を英文論文誌並びに著名な国際会議で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実施初年度にして、かなりの成果が得られている。計画以上の成果としては、新規なレーザ照射方式で高強度近接場を2次元配列系で発生する手法を確立したこと。さらにプラズモニック・ナノホールテンプレートを開発し、金ナノ突起を回折限界以下のナノ突起構造の密度で2次元配列できたことである。研究協力者のProf E.Mazur(Harvard)と連名の国際会議論文、並びにDr.N.Nedyalkov(Bulgaria Academy)と連名の論文を公刊した。当該研究に携わった2名の博士課程学生が、平成24年3月に博士(工学)の学位を取得した。SPIE News Roomで代表者らの成果が取り上げられた。さらに、権威あるProgress in Quantum Electronics誌(review paper)に当該成果を投稿し掲載決定した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、2次元アレー金属微粒子(任意形状)の表面プラズモンをフェムト秒レーザで励起制御し、基板への周期ナノ構造体作製の基礎過程を解明し、ナノ構造表面作製技術の制御法を確立し、新規表面光学素子の開発を実施。具体的には、(1)2次元アレー金属微粒子による局在した増強電磁場によって形成されるナノ構造が、プラズモンと基板表面鏡像電荷の結合等に起因することを検証。(2)各種材料基板表面に周期ナノ構造を作製する技術を開発し、ナノ表面物質制御技術の基盤を確立。その表面光学素子としては、メタマテリアル、プラズモニック基版による遠方場制御、プラズモニック高感度センサー、高機能光デバイス等への革新的展開を実施。(3)現在別個に論じられているナノプラズモニクスと誘電体微粒子Mie散乱を、一般化Mie散乱理論で2つの過程を体系化。
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[Journal Article] Enhanced localized near field and scattered far field for surface nanophotonics applications2012
Author(s)
M.Terakawa, S, Takeda, Y.Tanaka, G.Obara, T.Miyanishi, T.Sakai, T Sumiyoshi, H.Sekita, M.Hasegawa, P.Viktorovitch, M.Obara
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Journal Title
Progress in Quantum Electronics
Volume: (掲載決定)
Peer Reviewed
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[Journal Article]2011
Author(s)
G. Obara, Y. Tanaka, N. N. Nedyalkov, M. Terakawa, M. Obara
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Journal Title
Applied Physics Letters
Volume: 99
Pages: 061106/1-3
DOI
Peer Reviewed
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