2011 Fiscal Year Annual Research Report
太陽電池で駆動可能な無線通信用低消費電力パワーアンプと発振器の研究
Project/Area Number |
23360162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Electron device/Electronic equipment
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉増 敏彦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70367176)
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Keywords | マイクロ波・ミリ波 / 電子デバイス・集積回路 |
Research Abstract |
本研究では、太陽電池で駆動可能な低消費電力パワーアンプと発振器の回路方式を研究する。太陽電池の1セル当たりの出力電圧はDC 0.5Vであるので、前記回路の動作電圧の目標は0.5V以下である。 平成23年度は本課題の初年度であり、CMOSプロセスを用いて、パワーアンプと発振器の0.5V動作のための基礎研究を実施した。発振器の低電圧化における最大の課題は負性抵抗の低下、すなわち、発振の困難さにある。今年度検討した発振器では、負性抵抗を発生させるためnMOSFETを用いたクロスカップル回路を採用した。さらに、低動作電圧化のため、新規バイアス回路を考案中である。具体的には、nMOSFETのソースまたはドレイン電極に電流源トランジスタを縦積みするのではなく、nMOSFETのゲート電極に電流源回路を接続する方式である。また、共振回路にはスパイラルインダクタとMOSバラクタを用いた。本回路方式により、発振器の低動作電圧化と負性抵抗の安定な発生が可能となることを回路シミュレーションにより確認した。具体的には、電源電圧が0.5Vにおいて、発振周波数が2.4GHz~2.5GHzであり、出力パワーは0dBm(1mW)が得られた。 パワーアンプに関しては、0.5V動作のための基礎回路検討を実施した。パワーアンプはnMOSFETを基本とした差動対回路を考案中であり、発振器と同様に、nMOSFETのゲート電極に電流源回路を接続する回路方式を検討しており、回路シミュレーションにより動作の目途が得られた。動作周波数は2.5GHz帯である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23~24年度の研究目標である「パワーアンプと発振器の0.5V動作」に対して、回路シミュレーションにより基本動作の目途が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、65nm CMOSプロセスを用いて、パワーアンプと発振器の設計、チップ試作(大学外部に委託)、評価を行う予定である。設計目標は、動作電圧が0.5Vであり、動作周波数は2.5GHz帯である。発振器は電圧制御端子を設け、発振周波数を可変できる機能を付加する。また、パワーアンプ用のパワーモニター回路の方式検討も進める。さらに、チップ評価結果を考察し、さらなる低動作電圧化のため、平成25~26年度において新規回路の考案を実施していく。
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