2012 Fiscal Year Annual Research Report
光キャリア再生可能なフォトニックネットワーク技術の研究
Project/Area Number |
23360168
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
松浦 基晴 電気通信大学, 先端領域教育研究センター, 准教授 (40456281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 英司 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (70524156)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | フォトニックネットワーク / 光信号処理 / 波長多重伝送 / トラヒック制御 / 光ノード技術 |
Research Abstract |
マルチキャリア光源で姿勢された光キャリアを光ネットワークで分配・共有するマルチキャリア分配県光ネットワークにおいて,光キャリアの再利用を可能とする独自の光キャリア再生技術によって,ネットワーク内の波長利用効率を向上する光キャリア再生可能なフォトニックネットワークの研究を行った. 今年度は,提案する光ネットワークの実利用で想定される,1つの光キャリアで複数回の光キャリア再生の性能評価を実験的に検証を行った.実際にカスケード型の光キャリア再生回路を構築し,その間に光リンクを想定した25 kmの伝送用光ファイバを挿入し,伝送特性に基づく再生性能の評価を行った.これにより,複数回の光キャリア再生を行なっても高い信号品質が得られることを示した.一方,信号劣化の大きな要因としては,挿入損失や光増幅器の雑音に基づく光信号対雑音比の劣化が主要な原因であるため,これらが実際の光ネットワークの構築する際のネットワーク規模や光キャリア再生回数に上限を与えることがわかった. そこで,光信号対雑音比を基に,光ノード数や光リンク長をパラメータとして,光キャリア再生回数を考慮した際のネットワーク規模の解析を行った.これにより,日本国内を想定したようなメトロ系光ネットワークでは,一ノードあたりで可能な光キャリア再生回数はおよそ10回程度であることが示され,従来の光キャリア分配型光ネットワークと比較して,大幅に光波長利用効率を向上することが見込まれることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カスケード接続した光キャリア再生回路を実際に構築し,光キャリア再生を複数回行った際の性能評価実験を実施し,高い信号品質を示すことに成功しており,提案する光キャリア再生技術の応用性の高さを実験的に示せた.また,実際の光ネットワークへの適用を考慮した際に,実用利用が可能な光ネットワークの規模を明確に示すことは実用性を主張する上でも大変重要であるが,今年度は,実証実験に基づいた性能比較で得られたデータを基に,光信号対雑音比によるネットワーク規模の解析を実施し,光キャリア再生回数とネットワーク規模の上限を明確化しており,順調な研究成果を達成している状況にあると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までの研究において,光キャリア再生回数に対する評価や提案する光ネットワークの規模についての解析を行なっており,概ね順調な研究成果を達成している. 最終年度となる来年度は,これまでの研究の集大成ということで,実際に構築した光キャリア再生回路を組み込んだ大規模な光ネットワークの実証実験を行い,その有効性を示す予定である. また,これまでに得られた成果についても,国際的に評価の高い国際論文誌や国際会議への積極的な研究公表を実施し,提案する光ネットワーク技術を世界に広くアピールしていく予定である.
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Research Products
(15 results)