2012 Fiscal Year Annual Research Report
ターボ原理に基づく分散ワイヤレスネットワーク構築法~相関ネットワークへの展開
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23360170
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
松本 正 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (40452114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣斐 信介 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10448087)
KHOIRUL Anwar 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (20535372)
井坂 元彦 関西学院大学, 理工学部, 教授 (50351739)
村田 英一 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (60252475)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Slepian Wolf限界 / EXIT チャート / ターボ原理 / 中継ネットワーク / 協調通信 / CEO問題 / チャネル情報 / 相関のある情報源 |
Research Abstract |
●無線分散ネットワークの高度化に向けて重要な課題となる相関情報源に対する符号化に関して重点的に検討を行った.特に、情報源アルファベットが多元である場合に用いる符号の構成法を与えるとともに,復号性能に関する評価を行った.また,線形符号を用いた低次元格子の粒状利得に関して検討した. ●最終年度の重点課題である“Code-on-Graph for Network-on-Graph”に対する予備的検討として、H23年度に開発した中継器アクティベーションアルゴリズムを拡張し,グラフ構造のEXIT解析に基づき適応レート制御を行う手法を開発し,その有効性を確認した。 ●上記と同様に最終年度の重点課題である、送信者―中継ノード間のチャネル(中継リンク)に誤りが発生し得る環境をも視野に入れ,中継リンクの誤り率などのチャネル情報(CSI: Channel State Information)を推定する方式を明らかにする方法について検討した。これによって、サイドチャネルでCSIを伝送必要がある場合におけるオーバーヘッドを定量的に明らかにすることを可能とする。この課題に対し,CSIオーバヘッドを削減するコードブックの作成方法として分割型ベクトル量子化について研究を行った. ●中継ネットワークにおけるスケジューリングに関する研究を行い,双方に行き交うトラフィックが対称でない場合の効果的なスケジューリング法を提案した。 ●中継リンクに誤りがある場合においても、受信情報系列に対して中継局で再度インターリビングを施したのち、再符号化して最終受信局へ送信する方式について、ネットワーク情報理論におけるSlepin Wolfの定理、及びChief Executive Officer (CEO) 問題の観点から考察し、復号アルゴリズム、アウテージ確率、などの定量的評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
全てののWork Package (WP)に対して概ねそれらの目標を達成したと考える。外部評価委員(4名、全て外国人、但し、2名は本プロジェクトの、他の2名はCODE-SWANプロジェクト(課題番号:22560367)のSteering Committee Board Memberで、両プロジェクトの研究代表者が相互に研究分担者を兼ねる)が参加して行われたSTeering Committee meeting (STC)‐2013 をCODE-SWANプロジェクトのSTC Meetingとともに大阪で共催し。昨年の評価と同様、今年の進歩も優れるとの評価を得た。これらを総合して、「当初の計画以上に進展している」と判断できる。CODE-SWAN、COATNET-2の両プロジェクトの協調により、WPで定義された結果以外にも、新たな、いくつかの知見が得られ、国際学会や国際論文誌で発表した。詳細は下記の「論文・発表」の項で示す。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はCOATNET-2プロジェクトの最終年度であり、計画書に示されるように、SWP2.2: グラフ表現分散ネットワークのための適応的スケジューリング、及び、WP3:具体的なシグナリング・信号処理方式の検討、を重点的に進める。また、本プロジェクトの成果をネットワーク情報理論、特にLossy Distributed Coding Techniquesの観点から評価することで、さらに大幅に拡張が可能となり、将来の通信インフラの設計概念と比較して大幅に柔軟で効率の良い設計が可能なことが最近になって明らかになってきた。この概念によって、従来のポイント対ポイントLosslessリンクをタンデム接続する方式から、多数のLossyなリンクが存在する下での協調分散通信へのパラダイムシフトを可能にする。この概念を現実的な環境下で実証することを含める、より大きなプロジェクト提案へ向けた検討を開始する。
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Research Products
(36 results)