2012 Fiscal Year Annual Research Report
新たな香りセンサを用いた電子調香師の構築と香り制御による快適空間の創生
Project/Area Number |
23360175
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
大松 繁 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30035662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原嶋 勝美 大阪工業大学, 工学部, 教授 (20238174)
矢野 満明 大阪工業大学, 工学部, 教授 (40200563)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 香り制御 / 香り計測装置 / 香り成分抽出法 / 電子調香師 / 香り生成 / 香り識別 / ガスクロマトグラフィ / モレキュラーシーブ |
Research Abstract |
本研究の目的は,香り分子の脱離を高速に行う香りセンサの開発とそれをアレイ状に配置したセンサアレイおよびモレキュラーシーブを用いた高感度香り計測装置の作製と電子調香師の構築および香り制御による快適な香り空間の創生を行うことである. 本年度の研究は香り計測装置の作製とデータベースの構築を行うことであった.極微量の香り成分を感知するためには,空気中に存在している水分や香りの溶液に含まれているエタノールなどを事前に取り除くことが必要である. そこで,本研究では,ガスクロマトグラフィのカラム構造からヒントを得て,香り計測データをモレキュラーシーブに吸着させ,これを加熱して,時系列的に現れる水分やエタノールなどを分離した後に,香り成分を抽出するモレキュラーシーブ法による香り計測装置を新たに作製した.この場合,温度制御が重要になるが,これに関してはPID制御方式による高機能温度制御装置を購入し,精密な温度制御によるカラム構造の温度設定を行うようにした. また,香りセンサとして,市販の半導体ガスセンサをアレイ状に24個配列したものと,香り分子が水晶振動子に吸着することによる重量変化に起因した固有振動数の変化によって,香り計測を行うQCMセンサを24個配列したセンサアレイを香り計測に使用した.さらに,この香り計測装置を用いて,様々な香りに関する計測データを収集し,香りの化学成分に対応した香りデータベースを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画は極微量の香り成分を感知するために,ガスクロマトグラフィのカラム構造からヒントを得て,香り計測データをモレキュラーシーブに吸着させ,これを加熱して時系列的に現れる水分やエタノールなどを分離し,香り成分を抽出するモレキュラーシーブ法による香り計測装置を新たに作製し,この香りセンサを従来の半導体ガスセンサによる香り計測装置に実装し,様々な香りに関する計測データを収集し,香りデータベースを構築することであった. モレキュラーシーブの種類の選定が少し遅れているが,これを除いた制御装置,計測装置の製作等はすべて完成しており,香りデータベースの構築も完了している状況である.また,香りデータの計測もこれまでの経験から様々な知見を得ているため,今後はモレキュラーシーブの選定と,香りデータの計測を行い,香りデータベースを完成させるための実験を行うだけになっている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,香りデータベースの構築および香りの定量的表現と,微妙な香りの識別を精度よく行うシステム開発を行い,香り制御への基礎資料を提供する.
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Research Products
(7 results)