2013 Fiscal Year Annual Research Report
新たな香りセンサを用いた電子調香師の構築と香り制御による快適空間の創生
Project/Area Number |
23360175
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
大松 繁 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30035662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原嶋 勝美 大阪工業大学, 工学部, 教授 (20238174)
矢野 満明 大阪工業大学, 工学部, 教授 (40200563)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 香り計測 / 香り識別 / 金属酸化物半導体センサ / モレキュラーシーブ / 温度制御 / ワイン種識別 |
Research Abstract |
本年度の計画は香り計測方法を変更して香り識別の精度向上を図ることであった.そこで,平成25年度の研究では,多数の金属酸化物半導体ガスセンサをアレイ状に配置して匂い計測を行い,計測された匂いデータをモレキュラーシーブに吸着させ,匂いを吸着させたモレキュラーシーブを加熱し,そこから出てくる匂い成分の識別精度の向上を試みた.まず,匂いを1箇所に凝縮し加熱する方法としてGL Sciences製の匂い吸着剤としてMono Trapを使用した.Mono Trapは連続孔を持つモノリス構造体で,表面積の大きい高純度シリカゲルである.高い捕集能力,短時間での捕集が可能などといった特徴を持ち,気体・液体を問わずあらゆるサンプルに使用することができる捕集材である.Mono Trapを加熱することでそれに吸着した香り成分を脱着する.つぎに,匂い識別を行うために,競合型ニューラルネットワークを利用した.このネットワークはこれまでに使用してきた階層型ニューラルネットワークと比較して,学習時間が短くしかも誤識別の理由が見出しやすいためである. 識別実験として,A社の白ワイン,B社の白ワイン,A社の赤ワイン,B社の赤ワインの計4種類の識別精度の向上について考察した.常温でのワインの識別率は全体で69%となり,常温と高温を合算した場合には50%となった.これまでの識別結果と比較してわずかな改善は見られたが,必ずしも満足できる識別結果を得ることができなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
香り吸着材としてMono Trapを使用したが,十分に香りの吸着が進まなかったため,当初設定していた香り識別精度を達成できず,計画に沿った実験の遂行が遅れたことが,達成度を悪化させた原因である.また,金属酸化物半導体センサと水晶振動子センサの並列接続および直列接続による実験では,香りを運ぶキャリアガスの流量が毎分200mlとごくわずかであるため,理論的には可能と思われたこれらの実験が思い通りに行えなかったことが遅れの原因となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
温度変化に対応した,香り分子の追い炊きを行う実験をMono Trapを用いて行い,さらに,モレキュラーシーブを粉末にし,石英ガラスに封入した同様な実験を行う.また,香り計測を金属酸化物半導体センサだけに限定した香り計測実験を行い,その結果を基にして香り制御を行い,望ましい香り空間の創生を図る予定である.
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Research Products
(15 results)