2011 Fiscal Year Annual Research Report
モデル・制御・性能のトリプレット構造の解明によるJIT適応型内部モデル制御の構築
Project/Area Number |
23360183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Control engineering
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山本 茂 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (70220465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 修 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (00314394)
奥 宏史 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (20351455)
牛田 俊 大阪工業大学, 工学部, 講師 (30343114)
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Keywords | 制御工学 / 制御系設計 / モデル化 / 内部モデル制御 |
Research Abstract |
本研究は,閉ループ調整に現れる「モデル-制御-性能」の相互依存性をトリプレット構造と呼び,この構造を最も活用する内部モデル制御を用いて,閉ループ観測データから所望の閉ループ性能を達成する制御器と対象の数式モデルを同時に求める問題を解き,トリプレット構造の理論的解析を行う.それと同時に,外部環境や対象の変化に応じて閉ループ系の自動調整が可能な適応型の内部モデル制御を構築することを目的とする.本研究の特徴は,閉ループ調整原理を内部モデル制御によって解明するという理論的側面と,制御系の設計と保守における圧倒的なコストダウンを狙いとする実践的側面とにある. 本年度は,対象を線形時不変系に限定して同時獲得問題を定式化し,内部モデル制御のFRIT法に基づいた閉ループ調整によって同時獲得問題に取り組んだ.その結果,所望の制御仕様を表現する伝達関数を内部モデル制御に内包させることにより,与えた制御仕様を達成しうる制御器パラメータと制御対象を表現する適切なモデルを同時に獲得できることを確認した.さらに内部モデル制御が一般に難しい非最小位相特性を有する対象についてもラゲール基底関数を導入することにより,適切な制御器パラメータと制御対象の数式モデルを同時に獲得できることを確認した.また多入力多出力系として小型無人ヘリコプタを対象とした閉ループ同定実験を実施し,数式モデルと制御器パラメータ,達成しうる制御性能の関係を調べるための環境を整えた.なお,ジャストインタイム法を用いた内部モデル制御とベイズ推定理論に基づく閉ループ系の変化検出については十分に検討が行えず,次年度以降にその詳細を調べることとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である,『内部モデル制御を用いて閉ループ観測データから所望の閉ループ性能を達成する制御器と対象の数式モデルを同時に求める問題を解き,閉ループ調整に現れる「モデル--制御--性能」の相互依存性を解析すること』が限定された条件下で行うことができた.ただし,限定条件を緩和することと,実験による検証などが十分でない.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に明らかにした理論的な結果を実験にて検証することが課題である.その際,理論的に加味されていない事象などを明らかにして,理論的な結果をより発展させることが重要である.この研究課題で提案する新しい閉ループ調整法を実用化するためにも,実験による検証が不可欠である.
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