2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23360185
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中村 文一 東京理科大学, 理工学部, 講師 (70362837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 裕 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (90210426)
伊藤 博 九州工業大学, その他の研究科, 准教授 (70274561)
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Keywords | 制御工学 / 知能ロボティックス / トポロジー / 非線形制御 |
Research Abstract |
本年度は最小射影法と局所同次制御の理論的発展を行うとともに,実験機材の立上げを行った.最小射影法の拡張として,特異点消去を考慮した最小射影法の開発に成功した.また,複数の関数を最小射影することによって制御Lyapunov関数が得られるための必要条件について明らかにした.最小射影法によって得られる制御Lyapunov関数は一般に微分不可能関数であるが,一般の関数より良い性質を持つ局所半凹実用制御Lyapunov関数となることを明らかにし,また局所半凹実用制御Lyapunov関数を使った安定化制御則の開発を行った.さらに,強化学習と最小射影法を組み合わせることにより,目標状態が未知の空間において制御Lyapunov関数を設計するための手法を開発した.また,dynamic-extensionを行ったシステムに対して最小射影法を使うことによる時不変制御則設計法を開発した. 局所同次制御の発展として,PI制御,PID制御の指数を調整することにより新たに同次有限時間整定PI制御,同次有限時間PID制御を提案し,実機実験により特に位置決め精度において従来法に比べて大幅な優位性があることを確認できた.また,局所同次有限時間整定制御は従来法と比べて制御則が有効に動作する範囲が狭く,制御融合理論等を使って制御則の有効範囲を広げることが急務であることが確認できた. さらに,一般の多様体上における入力状態安定性をプロパー関数によって定義することにより,従来の定義を非完備空間に応用することに成功した. 次年度以降の本格的実験に向けて埋込み永久磁石同期モータの実験装置の立上げ,また最小射影法・非線形有限時間整定制御の有効性確認のため4回転翼ヘリコプタ実験装置の立上げを行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験装置の開発に関してはおおむね当初予定通り進行し,理論開発においては予定より進んだ物もやや遅れている物もあるが総合的に当初の予定通りに進行した.以上よりほぼ本年度の目標は完了できたと判断できるため.
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Strategy for Future Research Activity |
最小射影法に関しては層上の制御理論への発展を行うとともに,必要条件の解明へのめどがたったため,そちらの研究も推進する.また,同次有限時間整定制御の実機実験における従来法への優位性が当初予定以上に大きいことが判明したため,当初計画を若干変更して本年度以降も研究を継続する.実験機材に関しては,震災を受けてより大きな期待が向けられている飛行ロボットを制御対象に加えて研究を行う.
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