2011 Fiscal Year Annual Research Report
環境・省エネ自動車エンジンのモデルベース過渡応答制御手法に関する総合的研究
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23360186
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
申 鉄龍 上智大学, 理工学部, 教授 (70245794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 康彦 上智大学, 理工学部, 教授 (90146803)
鈴木 隆 上智大学, 理工学部, 准教授 (20206494)
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Keywords | エンジンシステム / パワートレイン / 制御系設計 / 自動車制御 |
Research Abstract |
本年度は,エンジン過渡期の振る舞いを把握するための基本である空気と燃料の気筒毎吸入量のモデリングとその推定のための基礎理論開発を中心に研究を進め,当初計画した研究目的を概ね完成した.具体的な研究成果は以下のとおりである. (1)実際の六気筒ガソリンエンジン制御テストベンチにおいて,各種加減速モード,負荷変化モードの実験を行い,得られたデータを解析し,数学モデル構造について新しい見地を得ることができた. (2)気筒毎吸気量と燃料吸入量のモデル化については,線形周期時変システム論と確率論的アプローチと,エアーフローメータとマニホルド圧力センサーを用いたオープンループアプローチを提案し,実験検証結果が得られた. (3)前項において得られた結果に基づき,加減速や負荷変化時の吸気量推定手法を提案した. (4)加減速時や負荷変化時の空燃比過渡応答制御手法を提案した.主に非線形適応制御法マニホルド圧力に基づくフィードフォーワード法,燃料パス切換え時のモデルに基づく前置補償法を検討し,実験検証結果を与えた. (5)新たに低慣性ダイナモメータを導入することによって過渡応答実験能力を高め,シミュレーションモデルの精度を高めることができた. 今年度の実験研究で得られたデータは今後ともエンジンの過渡特性解析のための貴重な根拠となる.また,数学モデルと空燃比制御手法に関する研究で得られた見地は次年度の研究でさらに発展され,空燃比だけではなく,エンジンの総合指標を含む統括的な制御手法開発のために活用される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた研究事項はすべて実施され,研究設備更新が順調に準んだので,実験が予定より多く実施され,想定していたケースより多くのモデル同定実験が試された.その結果,次年度の研究進捗を大幅に速めることになった.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は低慣性ダイナモメータの導入,dPSACEコントローラの更新など実験設備の改善が完了したので,実験能力が大幅にアップされ,リアルタイムの制御手法の開発により有利な環境になったので,次年度においては,当初計画した研究目標達成の他に,高速リアルタイム性を活かしたアドバンスな制御手法開発にチャレンジしたい.
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Research Products
(31 results)