2012 Fiscal Year Annual Research Report
環境・省エネ自動車エンジンのモデルベース過渡応答制御手法に関する総合的研究
Project/Area Number |
23360186
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
申 鉄龍 上智大学, 理工学部, 教授 (70245794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 隆 上智大学, 理工学部, 准教授 (20206494)
武藤 康彦 上智大学, 理工学部, 教授 (90146803)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | エンジンシステム / パワートレイン / 制御系設計 / 自動車 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ガソリンエンジンの様々な運転モードにおける過渡特性のモデリング方法を構築するとともに、過渡特性の改善を目的とする制御手法を開発し、実験検証を与えることによって、自動車パワートレインのモデルベース開発のための基盤技術を確立することである。本年度は、昨年度に続き、トルク特性、残留ガス、ノックなど現象の把握実験と、それに基づくモデリング手法を構築し、制御手法開発の課題にも挑戦を始めた。 主な成果は以下のとおりである。① 空燃比特性に関しては、気筒毎空燃比に着目した周期時変モデルの適用、バンク間空燃比のバラツキモデル、急激な変速時の吸気量モデルの構築手法を完成させ、モデルに基づくバンク間空燃比バランシング制御、急加速時の空燃比制御及び気筒毎燃料補正による空燃比高精度制御手法を開発し、実験検証を行った。②過渡期におけるエンジントルク制御のためのトルク出力モデルを構築し、モデル予測型のトルクディマンド制御手法をシミュレーションベースで模索を始めた。③ 残留ガス割合のサイクル変動モデルを構築し、残留ガスの確率特性に注目して、マルコフ過程理論に基づいて、残留ガスサイクル変動を抑えるための確率制御手法を開発し、実験検証を行った。④ ノック発生現象を実験によって把握し、最尤推定手法によるノッキング確率の推定とその制御手法を開発し、実験検証を与えた。⑤ dSPAC MicroAutoBoXの導入によって、様々なルートを走行する時の過渡応答実験が可能になり、エンジンの統括制御によるエンジン効率改善効果の確認が可能になったので、走行環境の情報を取組んだエンジン統括制御手法の挑戦を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実験設備の改善と新規博士後期課程院生の研究補助者が研究チームに加入したことにより、当初の予定より研究課題を広げることができ、早く制御手法に関する研究に着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は制御手法の開発に重点を置いて研究を推進したい。また、過去2年間は個別のモードや制御ループに集中してモデリングと制御手法を開発してきたが、統括的制御による省エネ化を図る制御系設計手法にチャレンジしていく予定である。
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Research Products
(25 results)