2011 Fiscal Year Annual Research Report
材料間の界面特性に着目したRC構造物の耐久性と構造性能の統一的評価手法の開発
Project/Area Number |
23360189
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
加藤 佳孝 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (80272516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 明伸 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (50305158)
牧 剛史 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60292645)
伊代田 岳史 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (20549349)
加藤 絵万 独立行政法人港湾空港技術研究所, 構造研究チーム, 主任研究官 (90371765)
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Keywords | 界面特性 / 耐久性 / 構造性能 / コンクリート構造物 |
Research Abstract |
本年度実施した成果概要は以下の通りである. テーマ(1):各種粉体を用いたブリーディング水の発生挙動を検討した結果,型枠の側面積とブリーディング量に相関がある可能性が見られ,ブリーディング量と部材高さを考慮した指標と表層コンクリートの中性化抵抗性に相関がある可能性が見いだせた.また,骨材界面およびマトリックス部の微小硬度を計測した結果,通常の練混ぜ方法よりも分割練混ぜの方がばらつきは少なく,比較的硬度の高い品質となる可能性があることがわかった.さらに,表層近傍のかぶり部への再振動締固めが,表層コンクリートの初期欠陥と耐久性に及ぼす影響について検討した.テーマ(2):コンクリート中に鉄筋を埋め込んだ両引き試験を行い,鉄筋とコンクリートとの付着特性について検討を行った.また,引張力を作用させてひび割れを生じた試験体に樹脂注入による修復を施した後,再載荷を行い,ひび割れに樹脂注入した後の付着特性についても併せて検討を行った(サブテーマ(4)にも関連).さらに,既存の港湾構造物から採取したRC部材について,劣化状況と構造性能の関係を調査した.部材の劣化状況と耐荷性の関係には広範なばらつきが見られ,これは部材の耐荷性が鉄筋腐食の発生位置や局所的な鉄筋断面減少に影響されるためであることがわかった. テーマ(3):海洋環境下での暴露試験の結果から,見かけの塩化物イオン拡散係数の時間依存性だけでなく,表面塩化物イオン濃度の時間依存性についても留意する必要があることが確認された.また,自然電位より推定される腐食発生限界塩化物イオン量は,セメントペースト配合だけでなく,骨材量によって変化する界面割合の影響を考慮する必要がある可能性が見いだせた.実験室において,塩分の形態が塩化物イオンの移動に及ぼす影響について検討するとともに,マクロセル腐食の定量的評価を試みた. テーマ(4):表面含浸材がかぶりコンクリートの耐久性に及ぼす影響を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に示したとおりに概ね進んでいる.少し異なる点は,次の通りである.当初計画ではサブテーマ(4)(各種対策工法)については平成24年度から開始予定であったが,その一部を平成23年度から開始した.サブテーマ(1)については,平成24年度に実施予定であった分割練混ぜおよび最振動締固めの影響を平成23年度から開始したことにより,再生骨材等の影響については平成23年度から開始予定であったが,平成24年度から検討を開始することに変更した.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通りに概ね進んでいるため,当初計画を着実に実行していく予定である.なお,マクロセル腐食の検討については,平成23年度の結果より,その機構を定量的に理解することは難しい状況にあった。そのため平成24年度は,コンクリート中の鉄筋腐食について,配合や環境条件を実験要因として基礎的な分極特性を計測し,その結果を用いて,再度マクロセル腐食の検討を行うことが必要であると考えられた.さらに,当初計画では盛り込んでいなかった二次製品の塩化物イオン浸透性についても検討していく予定である.
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Research Products
(17 results)