2011 Fiscal Year Annual Research Report
シナリオ型の地震動および進行性破壊を考慮した鋼橋の高度耐震・制震設計法の開発研究
Project/Area Number |
23360200
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
宇佐美 勉 名城大学, 理工学部, 教授 (50021796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 隆典 宮崎大学, 工学部, 教授 (70136802)
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Keywords | 制震 / 高機能 / 鋼橋 / シナリオ型地震動 / 低サイクル疲労 / 進行性破壊 |
Research Abstract |
本研究の目的は,鋼橋の耐震・制震設計の高度化を図るため,断層モデルによる地震動の発生・伝播・増幅を考慮した設計用地震動の作成手法,および構造物が終局状態に至るまでの進行性破壊を考慮した地震応答解析手法を開発し,安全性ならびに地震後の修復性照査を一貫して行うことが出来るシステムを確立する.併せて,開発した構造解析手法および照査法の妥当性を,制震ダンパー付き鋼橋モデルの耐震実験によって検証し,設計者・研究者が容易に利用できる「高度耐震・制震設計ガイドライン」を策定することにある. 本年度は以下に示すような成果が得られた. 1)シナリオ地震の設定に関する既往の考え方,震源断層破壊伝播特性・地震波伝播特性・表層地盤特性を考慮した設計用入力地震動作成方法の整理をおこない,逆断層に起因する地震動による橋梁構造物の応答に関するケーススタディーを行った. 2)鋼製橋脚,制震ダンパー(鋼製及びアルミニウム製)に数サイクルから数十サイクルでクラックが発生する低サイクル疲労破壊実験を実施し,未だ確立されていない低サイクル疲労照査法の開発を行った. 3)鋼製トラス模型の斜材に,H形鋼,拘束材を被せて制震ダンパー化したH形鋼,アルミニウム合金を芯材に持つ座屈拘束ブレースなどを17体製作し,制震ダンパーの付与によるトラス構造の耐震性向上効果,鋼製ダンパーとアルミニウム製ダンパーの性能比較,ダンパーに吸収される外力エネルギーの大きさなどを実験的および解析的に求めて設計に対する基礎的資料を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように,研究目標の1/4程度はほぼ達成された.
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Strategy for Future Research Activity |
・「シナリオ地震の設定」と「設定した地震の震源断層モデル」ならびに「設計用入力地震動作成」における不確定性を統一的かつ定量化して取り扱い,シナリオ型地震動を鋼橋の耐震・制震設計,耐震性向上策に利用するための方法と手順を開発し整理する. ・高機能制震ダンパーを付与したトラス構造物の耐震性能向上効果を繰り返し載荷実験並びにハイブリッド地震応答実験により検証する, ・東北地震動に見られたような連動型地震動の影響を解析,実験によって調べる.
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