2011 Fiscal Year Annual Research Report
間隙内二液反応発泡による新しい油汚染地盤浄化技術の開発
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23360206
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
棚橋 秀行 大同大学, 工学部, 教授 (00283234)
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Keywords | 土壌汚染浄化 / 環境技術 / 地盤工学 / 土壌圏現象 |
Research Abstract |
現在、工場などの事業所からの機械油の漏洩が全国的な環境問題となっている。本研究ではこれまで困難であった機械油汚染地盤の非掘削浄化に対し、浄化液A(重曹・界面活性剤水溶液)と浄化液B(酢酸・界面活性剤水溶液)を汚染地盤内に浸透させたのち発泡反応を起こすことで、小間隙内にトラップされた機械油を乳化し、大間隙へと誘導して回収する「間隙内二液反応発泡法」を考案した。この「間隙内二液反応発泡法」の物理・化学的メカニズムを定量的に把握するため、室内土槽に模擬油汚染地盤を作成し全体的な浄化の進行状況を観察するのに加え、間隙内発泡メカニズムの把握や油の残留量の分析など基礎的な実験・測定を行うことを目的とする。研究実施計画では平成23年度はどこまで難処理の機械油汚染土壌を洗浄可能にできるか、がテーマであった。また平成25年度に計画している浄化効率の定量的評価のため、浄化完了までの時間(t)、使用浄化液の総原液体積(Vin)、回収処理液の総体積(Vout)等を測定することを計画していた。 平成23年度に実施した土槽実験から、計画通り浄化効果についての検討を行った。しかしながら問題が浮かび上がってきた。主なものの1つめが浄化ムラであり、もう一つは水平方向への浄化液浸透の均一性の確保である。これらは意味通底した問題であるともいえる。そこで水平方向に上流から下流へといったこれまでの浄化の流れ場ではなく、鉛直流れ場においてある中心点からある半径の範囲をいかにムラなく浄化できるかについて予備実験を行ったところ、今後の可能性を示唆する結果と有益な知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に計画していた多種類の油・地盤においての実験は実施できなかったものの、浄化ムラをいかに低減するかという新たに浮上した着眼点を掘り下げたことにより、今後の展開に応用できる浄化液浸透~乳化油回収位置の最適化に関する知見が多く得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
浄化ムラを低減させるため、水平方向に上流から下流へといったこれまでの流れ場ではなく、鉛直方向に浄化液浸透~乳化油回収する流れ場に変更する。この流れ場において「間隙内二液反応発泡法」をどのように用いると中心点からある半径の範囲をムラなく浄化できるか、という視点から実験を行う。いっぽう昨年の東日本大震災以降、地盤環境浄化より地盤の強度に対する興味と必要性が高まっていることをうけ、本研究における非掘削浄化と薬液注入などによる地盤改良の工程一元化をも視野に入れた提案を行ってゆきたいと考えている。また、浄化ムラの解決の方法の一つとして界面活性剤に油を分解する微生物を配合することによる浄化率の向上についての検討も開始したいと計画している。
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Research Products
(5 results)