2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域公共交通再生のための計画技法と制度設計に関する実践研究
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23360225
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
溝上 章志 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20135403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿本 竜治 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00253716)
円山 琢也 熊本大学, 政策創造研究教育センター, 准教授 (20361529)
藤見 俊夫 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (40423024)
池田 康宏 熊本大学, 法学部, 准教授 (70304714)
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Keywords | 地域公共交通 / サービス評価 / 制度設計 / インセンティブ補助 |
Research Abstract |
本研究では,自治体運行のコミュニティバスを含む路線バス輸送サービスを,その効率性と公平性の視点から計画・運営・運行し,評価する手法を開発し,実際の地域に実装してその有効性を検証し,地域公共交通の活性化と再生に寄与することを目的とした. 本年度は,以下のような成果をあげることができた. 1、熊本県下の45市町村を対象に,生活交通対策の現状や地域公共交通会議の設置状況,総合連携計画の有無とその内容について、アンケート調査及びヒアリング調査を行った.これらの調査結果から今後の地方部における公共交通計画を策定していく上での知見を得た. 2、バス事業者に対する地方自治体からの補助金付与のあり方において,従来の方法では,補助金申請において水増し申請が行われる可能性が指摘されてきた.この方法を改善するものとしては,モニタリングによる方法とインセンティブを付与する方法などがあり,特にインセンティブ付与に関する基礎理論を検討した。法体系による違いがあるにせよ,リスク分配の観点から,必ずしも成果に基づくインセンティブ付与だけでは不十分であり,成果に基づかないインセンティブ付与の方法や,サンクションの適切な与え方等に関する基礎理論を分析し,それらを整理した. 3、バス路線の運行契約の1つである補助金の交付方法であるインセンティブ報酬を取り入れた補助金交付方法のモデル化を行い,熊本都市圏で近く導入が予定されているゾーンシステムから成る再編バス路線網のうち,赤字が予想される路線を対象にその適用可能性を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究組織と分担者が,それぞれの研究計画に基づき,順調に研究の目的を達成している.研究成果は学術誌への論文投稿や国内外の学会での口頭発表で公表している.
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Strategy for Future Research Activity |
1)地方部における生活交通政策に資する生活交通に関する調査フレーム,評価フレーム,計画フレームを構築し,体系化を図る 2)研究分担者は地域公共交通活性化のための制度設計,および適正な官民分担のあり方について研究をおこなう.特にこれまでに考察してきたインセンティブ理論の知見を熊本市補助金政策によりコミットさせることを目標とする。 3)サービス水準の設定戦略に伴う需要変動を考慮できる,より一般的なインセンティブ報酬制に基づき補助金交付方式について検討する.
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Research Products
(11 results)