2011 Fiscal Year Annual Research Report
縮退状況における都市マネジメントのための世帯マイクロシミュレーションシステム
Project/Area Number |
23360228
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
宮本 和明 東京都市大学, 環境情報学部, 教授 (90150284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北詰 恵一 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (50282033)
大谷 紀子 東京都市大学, 環境情報学部, 准教授 (70328566)
鈴木 温 名城大学, 理工学部, 准教授 (00356073)
井ノ口 弘昭 関西大学, 環境都市工学部, 助教 (10340655)
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Keywords | 都市モデル / 土地利用モデル / マイクロシミュレーション / 世帯属性 / 縮退都市 |
Research Abstract |
まず、富山市を対象として、大規模なアンケート調査を実施し、マイクロシミュレーションシステムの開発に必要なデータを収集した。対象エリアの全世帯数の10%にあたる14,073世帯に対し、郵送でアンケートを配布し、配布世帯数の36.2%にあたる5,089世帯から回答を得た。アンケートは、世帯票、現在の居住、過去の居住、将来の居住希望、交通行動、富山市の政策に対する認識等から成り、初期マイクロデータの作成、立地選択行動モデル、住宅市場モデルの構築に必要な実データが得られた。 上記のデータを用いた最初の分析として、世帯の住宅選択に関する効用関数のパラメータ推定を、選択型コンジョイント分析を用いて行った。その結果、精度の高い効用推定を行うことができ、これまでに構築してきた世帯と住宅のマッチングに着目した住宅市場モデルに適用することができた。 また、世帯と住宅のマッチング理論に関しては、数値計算による検討の結果、Gale-Shapleyによるアルゴリズムの基本形である1対1対応のマッチングモデルを,世帯対立地ゾーンのマッチングである「1対多対応」のものに変更した.的中率はまだ低い段階ではあるが、本格的なシミュレーションモデルに向けた理論的な整理はできたものと考えている. さらに,マイクロシミュレーション並列システムに関して、粗粒度単位のプロセスが多いことをはじめとする複数の新たな知見を明らかにした。そして、それらの特徴にそって、ループディストリビューションの導入等の複数アプローチを提案した。 一方、マイクロデータの初期値推定に関しては、一般に用いられているIPF法に対して、最適なカテゴリー設定法として共生進化を用いた新たな手法を提案した。また、評価政策パッケージの構築を,都市シミュレーションモデルを用いて客観的に行うために,政策手段とその実施効果の判断指標を体系的に整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最大の懸念があった富山市における調査も富山市の全面的な支援をいただき、順調に終了した。その他の研究項目の全てに対して当初の研究計画に従ってにほぼ順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
調査データのGISデータとの構造化が最も作業量が多い課題であるが、研究分担者間でGISを共有することで大きな問題にはならないと想定している。その他の個別の研究項目に関してはそれぞれ一応の目処が立ってきている。
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Research Products
(26 results)