2011 Fiscal Year Annual Research Report
メチル基資化性メタン生成古細菌の活用による電子産業排水からの超純水製造システム
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23360235
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
安井 英斉 公立大学法人北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (70515329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門上 希和夫 公立大学法人北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (60433398)
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Keywords | イソプロピルアルコール / Syntroph / 動力学 / 化学量論 / LC-TOF-MS / 活性汚泥モデル / 消化汚泥 |
Research Abstract |
我が国の代表産業である電子・半導体分野の製造工場においては、生産物洗浄のために多量の超純水が使用されており、外部からの工業用水消費を低減するために洗浄排水の再利用が広く行われている。この洗浄排水にはイソプロピルアルコール(IPA)をはじめとする有機物が多く含まれているため、従来の活性汚泥処理では極めて多くの曝気電力が消費される。これについて、IPAを段階的に分解するSyntrophとメタン生成古細菌を共生させた微生物相を用いる嫌気的システムを考えた。この微生物群集を集積させるために、下水処理施設の嫌気性消化槽から消化汚泥を植種源とした回分培養を行った。IPAの分解に伴うメタン生成は培養を開始して25日目以降から顕著になり、高速でIPAを分解する微生物群集を集積するには約3ヶ月を要した。この分解反応の非定常解析によれば、元の消化汚泥に生息する微生物数は7.9x10^<-12>gCOD/gCODほどしか存在せず、極めてわずかであった。実測のメタンガス生成から見積もった当該微生物群集の最大比増殖速度は0.785d^<-1>,IPAからの微生物収率は0.04gCOD/gCODほどであり、一般的なメタン生成古細菌のパラメーターと同程度であった。また、生物処理に組み合わせて用いる加圧浮上装置や生物担体の流動解析も進めるとともに、LC-TOF-MSを用いた迅速分析の予備検討を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非常に困難なIPA分解の微生物群集の集積に成功するとともに、LC-TOF-MSを用いた新たなTMAHの定量技術に目処を付けた。
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Strategy for Future Research Activity |
当該排水の産業排水はいずれの工場でも大流量になりつつあるので、従来のような加温型メタン発酵プロセスは加温エネルギー消費の観点から適用範囲が狭まると考えられる。そのため、よりチャレンジングな無加温・常温のメタン発酵プロセスの開発にも注力していく。
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Research Products
(5 results)