2011 Fiscal Year Annual Research Report
強風による飛来物に対する板ガラスの耐衝撃安全性能評価に関する研究
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23360246
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河井 宏允 京都大学, 防災研究所, 教授 (60027282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 敬 京都大学, 防災研究所, 教授 (00190570)
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Keywords | 強風 / 飛来物 / 板ガラス / 耐衝撃 / 安全性能評価 / 衝撃試験 |
Research Abstract |
平成23年度には、風圧載荷試験装置,すなわち,強風下と同等の風圧力をISO標準に準じた変動周波数と,最大および最小載荷圧力を鉄製のチャンバー内に発生させ,試験体(板ガラス)をこのチャンバーに取り付けた状態で圧力を加えることのできる装置を作成した。また,この装置に試験体を取り付けた状態で,飛来物を模擬した加撃体をISO標準に準じた速度で指定された箇所に衝突させる発射装置と,試験体の破壊性状を記録・解析する高速度ビデオカメラと解析用コンピューターを連携させた実験システムを構築した。制作された実験システムは数枚程度の試験体を用いて予備実験を行い,試験装置の性能評価・検定を行い、所定の性能を有することを確かめた。また,システム全体として,本研究遂行のための十分な性能を有することを確かめた。その後,種々の窓用ガラスと試験体として,ISO標準に準じた試験および,日本独自の耐衝撃試験法の開発を目指した検討用のデータを収集・蓄積するためにISO標準に準じた試験手順には規定されていない加撃体である瓦を用いた試験も行い,その耐衝撃性状を明らかにした。それらの結果は学会誌等に発表した。また,ISO標準に準じた試験方法では,試験体はアルミサッシュのフレームに組み込まずに,板ガラスのみで行うことと決められているが,実際の建物壁面に設置された状況での破壊性状を比較・検討するために,ガラスをアルミサッシュのフレームに組み込んみ,実際の建物壁面に設置された状況を再現して実験を行えるように試験体を作成した。その他,建築学,風工学関連の会議に出席し,成果発表と情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の主な作業となっていた風圧載荷試験装置の制作・調整が少し遅れたが,ほぼ当初の予定通り研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に製作した強風下と同等の風圧力を試験体(板ガラス)に加えた状態で飛来物を模擬した加撃体を衝突させる装置を用いて実験を行い,これまで実施した風圧力を負荷しない場合の実験結果との違いを検討し,強風によって生じる風圧力が試験体の耐衝撃性能と破壊性状にどのような影響を及ぼすかを調べる予定である。
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